兵庫県丹波篠山市が推進する環境や生き物に配慮した米づくり「農都のめぐみ米」の普及啓発を図ろうと4日、同市立城南小学校そばの圃場で同校5年生を招き、生きもの調査を実施した。
児童たちは、市の職員と圃場を管理している野中営農組合の組合員とともに、あぜを歩き回り、手にしたたも網をガサゴソと水田の中に突っ込みながら、そこに潜むカエルや水生昆虫などを探った。
狙い通りにトノサマガエルなどをすくい取ると「捕ったでー」と歓声をあげ、ヒルなどが入ってしまうと「きもいー(気持ち悪い)」と悲鳴。コオイムシやアメンボを中心に、ドジョウにタニシ、カエル、「生きた化石」と呼ばれるカイエビ、環境省レッドデータブックの準絶滅危惧種に指定されているイチョウウキゴケなどを確認した。
児童は、「こういう機会がないと、田んぼの生き物と触れ合うことはない。家でも、おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に観察してみようかな」と興味を示していた。
農都のめぐみ米は、化学肥料・農薬の使用量を県地域慣行レベルの半分以下とし、オタマジャクシがカエルになって上陸できるまで、土を乾かす「中干し」時期を遅らせるなどといった生物への影響を低減しながら栽培したコメに与えられる称号。2021年12月から学校給食米の全てがめぐみ米となっている。