太陽光への規制強化 届け出面積を引き下げ 条例化へ市民から意見募る

2023.07.14
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丹波市の太陽光発電規制の内容

兵庫県丹波市は、売電事業用の太陽光発電施設について、市との事前協議や事業計画の届け出が必要な下限面積を、現在の「1000平方メートル以上」から「200平方メートル以上」に引き下げることや、適切な事務手続きをしない場合は罰則を適用することなどを盛り込んだ「太陽光発電事業と地域環境との調和に関する事項」をまとめた。8月2日まで市民から意見を募っている。市民の意見も参考に条例案をまとめ、議会に提案し、来年4月に施行する考え。売電用太陽光発電への実質的な規制強化になる。

建物の屋根に設置する場合は対象外。景観、居住環境などと調和をはかり、良好な環境と、住民の安全な生活を確保することを目的に条例制定を目指している。

現状、市開発指導要綱に基づき、開発面積が1000平方メートル以上は、地盤勾配、排水能力、太陽光パネルの高さや向きなどから、周辺の環境保全などに努めている。一方、設置者の住民への説明不十分、維持管理不全、施設が不要になった場合などについて、市民から相談や苦情が市に寄せられていることから、基本的かつ必要な事項を定める。

基本的事項=表=のうち、10キロワットの太陽光発電施設の設置に相当する面積として、開発区域の下限面積を200平方メートルに設定。10キロワット、200平方メートルは、兵庫県丹波篠山市、同県多可郡多可町など最も規制が厳しい県内自治体と同じ水準。指導要綱では明文化していない、「禁止区域」と「抑制区域」を明文化した。国道、県道の境界や鉄道の敷地境界、住宅地の境界から50メートル以内を「抑制区域」とした。「抑制区域」は、景観を損ねないことや、近隣住民への配慮を求める。例えば住宅地境界50メートル以内を開発する場合には、当該住民の了解を得ることなどを求める。

また、施設の設置が済んだ後も、毎年、施設の維持管理の状況、施設廃止後の措置の方法、維持管理と施設廃止の際に要する資金確保状況の報告を求める。

事業計画の届け出をしなかったり、虚偽の届け出をした者は、条例違反で5万円以下の罰金を科す、と刑事罰の対象となることも盛り込んだ。

直近の3年間で、開発指導要綱に基づく設置承認は、2021年度が13件、昨年度が11件、今年度は6月末で12件。

市によると、4月1日時点で県内41市町のうち16市町が条例を定めている。全国の市町村の策定率は13・8%。

市はこれまでパブリックコメントを、審議会などで計画原案をまとめた内容に関する意見聴取の手段として使ってきた。条例案作成に実施するのは異例。

意見を提出できるのは、市内在住、在勤、在学者、市内に事務所・事業所を持つ個人、法人、その他の団体、利害関係がある人ら。

市のウェブサイトや各支所などで内容が閲覧できる。意見は持参、郵送、ファクス、電子メールで。詳細は市都市住宅課。

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