丹波市が開設している移住相談窓口「丹波移住テラス」を通じた市内への移住者の数が、コロナ禍以降、大幅に増え続けている。昨年度は、過去最高の194人。0―10歳代と40歳代が多く、子育て世代が家族で移住したケースが多かったとみられる。
移住者の推移をみると=棒グラフ参照=、新型コロナが拡大する前の2019年度と比べ、20年度は倍近くになった。19年度は56人だったのに対し、20年度は101人が移住した。その後も、21年度は163人、22年度は194人と、増加傾向が続いている。
移住者を年代別にみると=円グラフ参照=、昨年度は40歳代が46人と最も多く、次いで0―10歳代が41人、50歳代と60歳代以降が33人、30歳代が29人、20歳代が12人だった。
また、昨年度は、カナダとイギリスからの移住が2組6人あった。英語でオンライン対応ができる体制も後押ししている。
同テラスは、相談者の個別記録を取っており、要望に合った移住関連のイベントや物件情報を相談者ごとに案内してきた。過去最高の移住者数となったことについて、同テラスを運営する一般社団法人・Be代表理事の中川ミミさんは、「これまで相談に訪れた人へのフォローアップが実を結んでいるのでは」とみている。
窓口での相談内容の傾向について、中川さんは「今年に入って、住まいだけでなく仕事の相談も増えたと感じる」と言い、「物価高もあり、社会的、経済的に厳しくなっている表れかもしれない。ハローワークとの連携もしっかりしていかないと」と話す。
一方、すぐに購入できる物件が少ないことが課題になっており、同テラスは、「使用する予定がない空き家があれば、市の空き家バンクに登録することも検討してもらえれば」と話している。
帰省が多い盆に合わせ、8月12日午前10時半から丹波市民プラザ(氷上町本郷)で「空き家の終活座談会」を企画している。