車屋さんが飲食業拡大 ハンバーガーとジェラート 強み生かし車両販売も

2023.07.22
地域

ヘルズバーガー代表の悠さんと、ラベラプリンチペッサを営む妻の美姫さん。後ろはヘルズバーガーのキッチンカー=兵庫県丹波市春日町野村で

兵庫県丹波市春日町野村の自動車整備販売店「グッド」が、飲食事業を拡大している。一昨年12月にハンバーガー店「ヘルズバーガー」を、今年4月にジェラートカフェ「ラベラプリンチペッサ」をオープン。共に自動車店の強みを生かし、キッチンカー営業も行っており、週末に県内各地のイベントに出店するなどしている。今月から、カフェでモーニング営業も始めた。自動車整備士で、ヘルズバーガー代表の吉森悠さん(29)は「人が集まる場所にしたい」と笑顔を見せる。

ハンバーガーは、人気店「市島製パン研究所」(同市市島町)の三澤孝夫さん(62)がプロデュースした。国産小麦を100%使用したバンズと、牛肉100%の肉厚なパティが自慢。ボリューム満点で、また食べたくなる本格的な味が楽しめる。

ヘルズバーガーで味わえるチーズバーガーとポテト

チーズバーガー、ベーコンチーズバーガー、てりたまバーガーなど10種類。パティやベーコン、チーズなどの具材の「カスタム」もできる。ポテト、ドリンクを付けたセットもある。

カフェは、悠さんの妻・美姫さん(28)が営む。丹波乳業株式会社(同市氷上町)が製造する「氷上低温殺菌牛乳」を使った手作りジェラートを提供。甘みが強く、すっきりとした味わいに仕上げている。常設店舗はコンテナを活用している。

味は10種類程度。天然色素の水色が鮮やかで、牛乳の優しい味が楽しめる「プリンチペッサ」が人気。大納言小豆や黒豆、ブルーベリー、イチゴなど、地元で仕入れた旬の高級食材にこだわる。

モーニングは、地域のお年寄りたちが朝から気軽に集える場にしようと考えた。500円の「ワンコイン」で、▽トースト▽サラダ▽ハム▽目玉焼きやスクランブルエッグなどの卵メニュー▽コーヒーなどのドリンク―がセットになっている。

 

ラベラプリンチペッサのキッチンカー

元々ハンバーガー店やカフェ営業に興味があった悠さん。長年、丹波市内でジェラート販売を手がけていた山下龍哉さんと知り合い、友人の三澤さんを紹介してもらった。作り方を教わり、キッチンカーも用意。「勢いで」(悠さん)開業した。

山下さんは昨年8月に逝去。専用の製造機器を引き取らせてもらえることになり、ジェラート店も「勢いで」オープンした。

開放的なテラス席からは「オーシャンビューならぬ、田んぼビュー」(悠さん)が広がり、黒井城跡など周囲の山々も一望できる。オープン後、店は遠方から訪れたバイカーや若者らでにぎわう。モーニング営業開始に合わせ、コンテナを生かして景色が楽しめる2階席も開放した。

丹波市で生まれ育った悠さん。常々、「丹波市には飲食店が少ない」と感じていた。「誰かがやらないと始まらない。後のことは考えない。何とかなる」―。大好きな地元をさらに盛り上げるべく、走り続ける。

関連記事