空き家相続問題に注力
丹波篠山暮らし案内所の広報、移住者のアフターフォロー、移住者向けの農業塾の運営など、仕事は多岐にわたる。大手菓子メーカーの元営業職。手腕を期待され、6年前から地元丹波篠山の移住定住に関わっている。移住希望者が求める情報を敏感に感じ取り、各種補助金、法律なども含めて勉強し、サービスに反映させてきた。
当初は、「起業したい」「農業がやりたい」と、目的を持って移住を考える人が多かった。今は子育て施策など、都市部にあるサービスが丹波篠山にもあるか、というような質問を受けるようになった。「『有機野菜を作りたい』は、今は『どこで買えるか』。引っ越しのエリアが農村部へ広がった感じ」と変化を感じている。
移住者の数を増やすことにこだわっていない。「移住は、その後の一生が決まる大事業。一番気に入った所に住んでほしい。それが丹波篠山であったなら、地域にとってプラスになるようにつなぐのがわれわれの役割。地域に溶け込んで長く住んでほしい。そのためのサポートは、できる限りやりたい」
コロナ禍からの移住者の増加はブームと捉え、今後は下火になるとみている。そこで注力しているのが空き家の相続の問題。空き家物件を探し、移住する人が減っても、空き家は増える一方。所有者が亡くなってから手続きの複雑さに驚く親族も多い。「空き家になる前に、所有者、親族が安心して引き継いだり、手放したりできる状態にしておくお手伝いがしたい。それは地域にとってもプラスになる重要なこと。だから、自分の財産について調べたいこと、お困りのことがあれば、問い合わせてほしい」。51歳。