「農業の未来は明るい」
17歳で就農し、21歳で独立。「ふくいふぁーむ」の屋号で、水稲や黒枝豆、黒大豆を栽培しており、「収穫の瞬間が一番楽しい。来年何を作るか考えることも好き」と朗らかに笑う。このほど、丹波篠山市内最年少で「認定新規就農者」に認定され、「黒大豆栽培が日本農業遺産に認定されるなどの丹波篠山ブランドを生かしていきたい」と意気込む。
幼い頃から祖父母が農業をする姿にあこがれていた。「トラクターに乗せてもらったり、作業を手伝ったりするのが大好きだった」と振り返る。
転機となったのは高校時代。「勉強が苦手だったので」と高校を中退すると、次の日には地域の「西紀農産加工組合」に入り、“師匠”の下で農業技術の習得に明け暮れた。田舎の若者にありがちな都会へのあこがれは全くなく、「都会は人が多くて苦手。なぜか分からないけれど、農業をすることが普通の流れでした」と笑う。
農業を仕事にしてみると、現実を目の当たりにする。「とにかく草との闘い。祖父母を手伝っていたときとは全く違った」。独立してからも、思うような収量がなく、「地獄を見た」こともあったが、ようやく納得のいく品質を維持できるようになってきた。
農業人口の減少が続いているが、「AIやドローンなど、使えるものは使い、自動化していくことでカバーできるはず」と言い、「食べ物は絶対必要なので農業はなくならないし、これからはこだわりのあるものが買われる時代。農業の未来は明るいと思う」と先を見据える。
3歳、1歳の子どもを育てる父でもあり、「家族を養っていくためにも、さらに農業を頑張ります」と誓う。25歳。