兵庫県丹波市春日地域の川で、県レッドデータブックBランクの希少種「オグラコウホネ」が黄色い可憐な花を咲かせている。小さく群生している個所が複数あり、花の数は少ないものの、凛としたたたずまいを見せている。
スイレン科コウホネ属の水生植物。水面より上に長く伸びた茎の先に、鮮やかな黄色の花を付けている。県立人と自然の博物館によると、平たいテープ状の雄しべが多くみられるのも特徴の一つ。6―10月ごろに咲くという。
葉は楕円で、水中に葉がある沈水葉、水面に浮く浮葉の2種があり、沈水葉が多いという。
同博物館は、丹波市内の複数個所で標本を採集しているものの、いずれも30年以上前の記録で現状の分布は分からないという。「絶滅の危険が増大している植物。今回、確認されたことは喜ばしい」としている。
同地域の男性によると、50年ほど前は川面を埋め尽くすほど咲いていたという。川の改修工事などで数が減ったとし、「希少な植物なので、しっかり調査して守るべき」と話している。