兵庫県丹波篠山市教育委員会はこのほど、慢性化している市内の保育士、幼稚園教諭の人材不足解消に向け、丹波地域出身の大学生や、すでに資格を持つ潜在保育士を対象にした、こども園見学バスツアーを初めて実施した。神戸親和大学発達教育学部4年生の杉原舞さん(21)と、兵庫教育大学学校教育学部4年生の柳川瀬友那さん(22)の2人が参加。富山こども園(115人)と、たき認定こども園(61人)の2園を巡り、幼児教育や保育の現場を見学し、子どもたちの笑顔や子どもたちを見守る保育教諭らの姿に、志望している幼保職への憧れを強くしていた。
両園で園長らから運営方針や勤務体制などの説明を受けたほか、富山こども園では元気いっぱいに水遊びをする園児たちの様子などを見学し、たき認定こども園ではブロック遊びや工作を楽しむ園児たちと触れ合った。
杉原さんは、「子ども一人ひとりに寄り添った保育で、子どもの主体性を大切にされていたことに感銘を受けた」と感想。柳川瀬さんは、「保育現場の実際の一端を垣間見ることができて良かった。先生たちも子どもたちも笑顔だったことが印象的。ますます保育教諭になりたい気持ちが強くなった」とほほ笑んでいた。
市教委は、「保育の現場を目指されている人たちが就職先に丹波篠山市を選択肢の一つに加えてくれたら幸い」と期待している。
市教委は今後も人材確保に向けた取り組みとして、11月に保育教育就職フェアを、来年2月には今回と同様の見学バスツアーを計画している。