丹波の森からアメリカへ―。兵庫県丹波市内の女性起業家グループ6人が10―18日、アメリカ・オレゴン州ポートランドを訪れ、現地の女性起業家を訪ねるほか、自社のサービス、商品を売り込もうと、卸売業者との商談会に臨んでいる。外遊中の斎藤元彦県知事と合流し、同州政府女性委員会と意見交換も行うことになっており、メンバーらは「多くのものを吸収したい」とメンバーは期待に胸を膨らませている。
シリ丹バレー推進協議会(事務局・丹波県民局)が、女性起業家の活躍を推進するために立ち上げた「たんば女性起業家ネットワーク」のメンバー。同県民局がNPO法人・Tプラス・ファミリーサポートに委託し、女性起業支援講座を開いており、同NPOのメンバーや講座の卒業生らが同ネットワークの会員になっている。
訪問団は、谷水ゆかりさん(同NPO理事長、谷水加工板工業社長)、植野さやかさん(同法人理事)、湯山加奈子さん(ゴキゲンてくのろじ代表)、細川智子さん(Azur代表)、安田真理さん(Plantarium代表)、足立美由希さん(足立織物社長)。
谷水さんは、新たに商品化したソファ型のスマホスタンド「panamweave」(幅16センチと17・5センチ)を持参する。板加工の自社(丹波市氷上町)の技術を生かした小さな本物のソファ。生地の一部に丹波布を使っている。プログラマーの湯山さん、デザイナーの安田さんは、同製品のウェブサイト制作、デザインで関わり、アメリカのデザインに触れ、知覚を向上させる。
植野さんは、夫の家業、東洋資源(同)のリサイクルペレット、細川さんは、夫と営む「Maru Su Bags」(同市柏原町)の特注医療救急バッグ、足立さんは、自社(多可郡多可町)のA4判の非常用圧縮毛布からの発展を目指し、商品開発の参考にと商談に臨む。
昨年度、「シリ丹―」がオレゴン州ポートランド振興局などと連携して開いた日米女性起業家のオンラインミーティングで、つながりができた。
ネットワーク発起人代表の谷水さんは「それぞれの事業が海外展開のきっかけを得ることで、他のメンバーや地域の女性たちに『何でもできそうな勇気』を感じてもらえれば」と話している。
斉藤知事と現地合流
県からの渡航支援はなく、全額自費で訪米する。女性起業家たちのツアーと、知事の外遊日程が重なり、現地で意見交換会がセッティングされた。
ワシントン州政府庁舎である意見交換会は、兵庫側から知事と丹波の6人が出席。公共施策の発展と女性ニーズを満たす政府サービスの向上を目指すため設置された、州政府女性委員会とSDGsの実現に向けた起業や、女性起業・就業のための環境づくりについて意見交換する。