「前向き」がモットー 来月で100歳「健康幸せ」 毎日畑耕し友人とおしゃべり

2023.09.18
地域

毎日のように農作業に励む畑に立つ上田さん=兵庫県丹波市柏原町大新屋で

きょうは敬老の日ー。来月で100歳を迎える上田シゲノさん(兵庫県丹波市柏原町大新屋)は、毎日のように散歩や農作業、友人との交流を楽しみ、年齢を感じさせない精力的な日々を送る。夫に先立たれて以降、「人生前向きに」というモットーを掲げ、外に出て体と口を動かすよう意識してきた。「いろいろと苦労もあったけれど、今こうして健康で暮らせているだけで幸せ」と、柔和な笑みを浮かべる。

姿勢は真っ直ぐで、つえも突かず、歩くスピードは若い世代と変わらないほど。夕方になると毎日、集落内を散歩する。知り合いを見つけると、世間話を交わす。

近くの畑では、大根やタマネギ、白菜などの野菜の栽培に精を出す。野菜を育てていない時期でも腰を据え、鎌を使って草引きに励む。

食事は朝、昼、晩の3食をきっちりと食べる。「ご飯はなんでも好き」と笑う。一日に数回は気の合う同世代の友人と電話で話し、昔話や体調、共通の友人などの話で盛り上がる。

同県西脇市出身。苛烈でひもじい戦時生活を耐え抜いた。終戦後の27歳の時に結婚し、丹波市へ嫁いだ。2人の子宝にも恵まれた。

およそ20年前、最愛の夫が病に伏し、この世を去った。「当時はつらかった」と明かすが、「家でしゃがんでいてもしようがない」と前を向き、生きがいを家の外に求めた。

グラウンドゴルフや囲碁ボールを始め、毎週のように足を運んで多くの友人ができた。コロナ禍前は、カラオケボックスで歌を楽しむ日も多かった。今は、息子と、息子の妻と一緒に平穏な生活を送る。

近くに住む仲の良い友人は「年下の私の方が腰が曲がっている。自動車に乗るときでも上田さんが逆に支えてくれる」と笑い、「何かにつけて『しよか』『いこか』『やってみよか』と積極的。すごいパワーを持っている」と、刺激をもらえているという。

上田さんは、元気の秘訣を「ご飯をよく食べ、よく寝て、連れと出会っておしゃべりすること」と説く。「人の悪いことは言わず、素直に生きてきた。素直に生きないと、顔までいがんでしまう。人生を長く経験してきたからこそ言えること」とほほ笑んだ。

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