兵庫県丹波篠山市にある外国人介護福祉士養成校「篠山学園」でこのほど、卒業式が開かれた。巣立ちの日を迎えたのはベトナムやネパール、インドネシアの21―35歳の男女37人。2021年に共学になってから初の卒業生で、それぞれ県内外の介護福祉施設に就職する。
春と秋の年2回、入学式があり、9期生は21年秋に入学。入国が延期になったり、来日後もアルバイトができなかったりと、さまざまなコロナ禍の影響を受けながらも、介護に関するさまざまな知識と技術、そして日本の文化を学んできた。
来賓を招いての卒業式は4年ぶり。同校を運営する社会福祉法人・ウエルライフ(西宮市)の蔭久晴彦理事長は、「コロナもあって、皆さん本当に大変だったと思う。市や地域などいろんな人に支えられている学校を卒業された。これからの活躍を期待しています」と祝辞。山村信哉学園長も、「学んだことをベースに社会人として、介護福祉士としてしっかり頑張って。つらいときは一人で悩まず、先輩や同窓生、学校にいつでも相談してきて」と激励した。
卒業生を代表して答辞を述べたマガラ・ビカスさん(25)=ネパール出身=とマウ・タット・リンさん(21)=ベトナム出身=は、「命を守り、生活を支えていく知識と技術を習得することができた。これからそれぞれの新しい道を歩み始める。ここで学んだことは私たちの誇り。心が折れそうなときは仲間たちを思い出して乗り越えていきたい」と、学び舎や旧友、母国の家族にも感謝を表し、介護の道を歩みだした。