兵庫県丹波篠山市の岡野ふるさとづくり協議会地域振興部会が28、29日午前11時―午後4時、篠山城跡三の丸西広場(同市北新町)で、特産の山の芋や、山の芋の加工品を販売する「岡野ふるさと野菜直売所」を開く。減少の一途をたどる山の芋栽培農家の収益につなげることや、消費者にそのおいしさを知ってもらうことで、農家の生産意欲を維持しようというもの。同部会は、「山の芋は『特産』であることの危機にある。ぜひ味わってもらって、生産者を応援してほしい」と来場を呼びかけている。
岡野地区の山の芋栽培農家数は、2022年度で33戸。同部会は生産者を支援しようと、毎年、呼びかけに応じた農家の山の芋を買い取って販売している。
山の芋のほか、同地区の農家が考案した山の芋のナゲットとチップス(250円)を販売。いずれもサクッとした食感の後に山の芋の深い味わいが楽しめる。
また、同協議会と神戸大学、「丹波栗菓匠大福堂」(同市北新町)がコラボして作った山の芋の菓子「チョコベ」(500円)も用意。とろろを生地に練り込んだ軽羹(かるかん)にチョコレートをコーティングしたもちもち食感のスイーツで、チョコ、イチゴ、抹茶の3種類を販売する。
山の芋は一般的な長芋と比べ、ナイアシンやビタミンB6、アミノ酸の多くが2倍以上含まれており、成長ホルモン合成の促進、免疫力の向上、高血圧抑制などにつながるとされる。
一方、栽培に手間がかかるため、農家の減少や高齢化に伴い、市全体でも栽培面積、収量ともに激減している。
同部会の瀧山玲子さんは、「食べてもらって、知ってもらって、栽培農家の収益につながれば。とろろ以外に食べ方が分からないという人も多いと思うので、これならできるという調理方法の紹介にもなればうれしい」と話している。