高校生が全市議に政策提言 テーマは「政治」「女性」 事例交え若者視点で

2023.10.29
丹波市地域

20人の議員を前に、普段は市長や教育長らが立つ議場の発言席に登壇して意見を発表する高校生たち=兵庫県丹波市氷上町成松で

柏原、氷上、氷上西の兵庫県丹波市内の3高校の生徒計約30人が、同市議会議場で、全議員20人を前に、「若者の政治への関心を高める」「社会における女性の活躍」をテーマにした意見を発表した。高校生と意見交換する市議会のプロジェクトの一環で、2018年から続けており、市内3高校の生徒がそろって意見発表するのは初。10グループに分かれて事例を紹介しつつ、交流サイト(SNS)などを活用した若者ならではの政策を提言した。

「夢を語ろう 未来へつなごう 丹波市議会☆ミライプロジェクト」。今までは市議が各高校に出向いたり、オンラインで行ったりしていた。今年は7月に市議と高校生らでグループワークを行い、意見を出し合った。以降は発表に向け、市議や福知山公立大(京都府福知山市)の学生と共に意見をまとめた。

「スマホで簡単 もらえる選挙」をテーマにした班は、スマホで投票した人が、地域の店で使える商品券や割引券などの特典がもらえる施策を提言。投票済証明書や、投票所の看板を撮影した写真がクーポンの代わりとなる「センキョ割」の事例を紹介し、「若者に政治に関心を持ってもらえるきっかけづくりと地域経済の活性化につながる」とした。

「男性も育児休暇を取りやすい丹波市にするために」の班は、市内企業が、男性の育児休暇の取得率と、取り組みを新聞紙面上で公開することを提案。育休取得率が低い中小企業を中心に、比較されることで制度が充実し、女性が活躍できる社会も実現できる、とした。

「スマホで簡単 もらえる選挙」班の1年生は「調べる前は選挙でどんなことをしているのかよく分からなかったけれど、自分たちの投票で未来を決めないと、どこかで大変なことになる」と話した。

同大の杉岡秀紀准教授は講評で「議会の皆さんに1つでも2つでも形にしていただくことが、学生が参加したいと思える主権者教育の秘訣。言いっぱなし、聞きっぱなしで終わると続かない」と述べた。

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