【動画あり】「新感覚」薪割りギア開発 クラファンで大人気商品に コンパクト+機能性+デザイン性

2023.12.04
地域注目

薪割りギア「vedz」

兵庫県丹波篠山市二階町でアウトドアショップ「SATORY」を運営している細見勇人さん(43)が、置き型の薪割りギア(道具)「vedz(ベッズ)」を開発した。分離式でポケットに入るほどのコンパクトさながら、最低限の力でほとんどの薪が割れる優れもので、刃の上に薪を置くため安全性も高いという「ありそうでなかった商品」。インターネットを介して予約販売を受け付けており、売れ行きは上々。実用新案も取った細見さんは、「インテリアにもなるデザイン。家の中に置いていると、『たき火がしたいなあ』という気持ちになる」とほほ笑んでいる。

【動画はこちら】立てて使う薪割りギア「veds」

鉄製で、針葉樹対応の「バールくん」(高さ7センチ)と、広葉樹対応の「ロブくん」(同8センチ)の2種類。土台となるベースと組み合わせて使い、ベースも「コンパクト」(縦横5センチ)と「ワイド」(縦9センチ、横5センチ)を用意した。

薪を割る「くさび」の一種だが、市販品のほとんどは手にくさびを持ち、薪の上部に当ててハンマーでたたいて割るもの。たたく面が小さく、手をたたいてしまうことや、刃でけがをする可能性もある。

対して置き型のベッズは、くさびの先端に薪を置いてたたくため刃に触れない。刃先から始まるカーブの形状によって薪が押し広げられて割れ、たき付けに使う細さまで割ることもできる。

小さな木のようにも見えるシルエットでデザイン性も高く、「せっかく買ったアウトドア用品を倉庫にしまっておくのはもったいない。インテリアとして日常生活の中に溶け込むようなデザインにしたかった」と話す。

開発した薪割りギア「vedz」を使って薪を割る細見さん=兵庫県丹波篠山市二階町で

オリジナルブランド「INO/UTO(イノウト)」の第1弾で、11月30日からインターネットを介して購入を募るクラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」を活用して販売。開始約1時間で目標の30万円を突破し、1日で120万円分を販売するなど、大人気を博している。

商品は2月から発送をスタート。以降、店頭でも販売する予定。希望すれば試し割りもできる。

子どもと一緒に薪割りをする中で、なかなか割れないギアが多く、安全性にも課題があると感じたことがきっかけ。「子どもたちにも薪を割る達成感を味わってほしいし、安全性が高い商品でも、子どもがハンマーをたたくときに薪やくさびを支える親父の手は安全じゃなかった」と苦笑する。

そして、「コンパクトかつ置き型のギア」を思いつき、錫製の酒器などを制作している「藤原」(同県小野市)に協力を依頼。デザインは、「なかにし事務機」(丹波篠山市呉服町)が協力し、試行錯誤を繰り返しながら、破砕能力と安全性、デザイン性を兼ね備えた理想の形にたどり着いた。

オプションでレザーケースも用意。「SLOTH レザーファクトリー」(同市川北新田)が手がけた。

「少し考えればたどり着きそうなアイデアだけれど今までなかった。天からのギフトかも」と細見さん。「バイクでキャンプに行く人などの荷物を減らすことにもつながる」と太鼓判を押す。

本業はインテリア専門店「サロンテリア大林」の代表。インテリア業界での経験を生かし、「人生で豊かな時間を過ごしてもらうためのお手伝いをしたい」との思いで昨年8月にアウトドアショップをオープンした。

細見さんは、「家の『内』と『外』の境界をなくし、天気が良い日は外に出てコーヒーを飲みながらたき火をするような生活を提案したい。ベッズが軌道に乗れば、内でも外でも使えるような商品をどんどん開発していきたい」と意気込んでいる。

希望小売価格は6930円から。

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