担い手がなくなった兵庫県丹波篠山市古市地区の田んぼで、都市住民を中心に約100人で栽培した酒米で造った発泡性清酒「カエルの寝床」の販売予約が狩場一酒造(同市波賀野)で始まった。昨年に続き2年目。前回は500本が1週間ほどで完売し、反響が大きかったことから、今回は2倍に増量した。
新しい里山モデルを創る「ミチのムコウ」プロジェクト(吉良佳晃リーダー=同市不来坂)の一環で、今年も酒米五百万石を栽培した。
増量する今年は、より大きなタンクで発酵させた。タンクの中で完熟する前に瓶詰めし、瓶の中で二次発酵させる「瓶内二次発酵」。同酒蔵の狩場一龍社長によると、シャンパンのような爽やかな味わいで飲みやすいという。
同プロジェクト名は「100人ではぐくむ名前はまだ無い日本酒」。前回の商品名は「ユメノツヅキ」。今回も参加者から商品名を募り、「田んぼはカエルにとって最高の寝床。カエルたちが今、どこで、どうやって過ごしているのか、そんな思いを巡らせながら、大切にお酒を味わえたら最高だろうな」という思いを込めたという。
1300本の生産を見込み、うち約260本は会員分。残り約1040本を予約販売している。店頭でも販売中。720ミリリットル3000円。