大手バイヤーと生産者商談会 有機農産物販路拡大に 成立わずかも「つながり」

2023.12.24
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自身の農業の特長や販売可能な作物をバイヤー(写真奥)に説明する生産者=兵庫県丹波市氷上町本郷で

近畿農政局と兵庫県丹波市がこのほど、ポップアップホールで、「環境に配慮した農産物にかかる生産・販路拡大にかかる検討会」を開いた。市内14の有機農産物らの生産者が、百貨店やスーパー、加工業者、米穀問屋などの大手バイヤー16社と商談した。バイヤーが求める量や仕入れ価格と、生産者が出荷可能な量や希望価格に開きがあり、商談成立はわずかだったが、名刺交換をし、つながりをつくった。

近畿農政局が各産地で行っているもので、米、野菜などの有機農産物など環境に配慮した農産物を主に取り扱うのは初めて。丹波市が3月に「オーガニックビレッジ宣言」をしたことで、会場に選ばれた。有機農業専用農家や減農薬栽培する生産者が出席した。

生産者は、耕作規模や栽培品目、こだわりの農法など自社の特長をPR。バイヤーからは、有機農産物や減農薬栽培など環境に配慮した農産物はよく売れるので、取り扱いたい、取扱量を増やしたいとの声が相次いだ。

生産者が「都市部で販売しようにも、燃料費その他のコストがかさみ、販売に踏み切りづらい」と行政の支援を求め、県が「販路開拓の補助事業がある」と応じる一幕もあった。

丹波新聞社の取材に参加農家は「相手の規模が大き過ぎる。うちの年間生産量が、数回の出荷でなくなってしまう」「先方の購入希望価格が安く、自力で売る方がいい」という声があった一方で「大手と取引のきっかけができた。今すぐは無理でも将来、売り込みたい」「一社一社営業に回らずに済み、助かる。顏つなぎができただけで、大きな成果」と前向きな評価もあった。

同市有機の里づくり推進協議会の小橋季敏会長は「課題もたくさん見えたので、それも含め成功。何件か、後につながる商談があったようで、それなりの成果があった」と評価した。

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