木のインテリア小物人気 古民家をDIYし移住の夫婦 趣味が軌道に乗り本業に

2024.01.05
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築100年以上の古民家をリノベーションして暮らしている日高さん夫妻=兵庫県丹波市山南町で

兵庫県丹波市山南町に昨年4月に奈良市から移住した日高智貴さん(51)・圭さん(36)夫妻は、ヨーロッパアンティーク調のインテリア小物を中心に作る木工作家。智貴さんが制作、圭さんが交流サイト(SNS)での発信を担い、全国にファンを広げている。前職は二人とも福祉分野で、移住後に始めた木工の仕事が軌道に乗ったため、本業にした。智貴さんは消防団に入り、家には近所の子どもが遊びに来るなど、地元にもすっかり溶け込んでいる。

広葉樹材で作ったインテリア小物を中心とした「森の、おこぼれ」の商品

「森の、おこぼれ」の屋号で、キッチンペーパースタンド、コンポート皿、ペンダントライト、コーヒーメジャーなどを制作。地元の足立製材所から仕入れた県産の広葉樹材を木工旋盤で加工し、一つひとつ手作りしている。

商品を企画するのは、インテリア好きの圭さん。「イメージに合うキッチンペーパースタンドを作ってほしい」と智貴さんに依頼し、インスタグラムに上げたところ、「売ってほしい」とのリクエストが相次いだため、ネット販売を始めた。一部セレクトショップでの販売や、百貨店の催事に出店もしている。
以前は共に介護会社に勤務し、圭さんはケアマネジャー、智貴さんは管理職をしていた。コロナ禍で人員が不足し、智貴さんが家に帰れない日が続く中、圭さんが心労もあって体調を崩し、介護の仕事を離れる決心をしたという。

木工旋盤にノミを当てながら板を削る智貴さん

木工を専門に学んだことはないが、物を作るのが好きで、マンションに住んでいた時もDIYをしていた智貴さん。「古民家を自分たちでリノベーションしたい」と物件を探し、現住の築100年以上の古民家と出合った。基礎部分から自分で手がけるなど、思う存分作業を楽しみながら、現在も改修を続けている。

ゆかりのない土地での人間関係が一番気がかりだったが、空き家バンクを通じて自治会の人たちとも出会い、「いい人ばかりで、安心してここに住もうと思った」とほほ笑む。

「私たちが来て良かったなと少しでも思ってもらえるような仕事ぶり、暮らしぶりがしたい」と圭さん。自宅をギャラリーにしたいと構想しており、智貴さんは「うちを目的地に丹波に遊びに来てもらえるような場所にするのが大きな夢」と話していた。インスタグラムは「森の、おこぼれ」で検索を。

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