創建1300年へ大規模改修 近衛家と縁深い兵主神社 工事費の奉賛募る

2024.01.23
地域歴史注目

創建1300年の節目に向け、兵主神社の大規模改修費の奉賛を呼びかける村山宮司(前列右から2人目)や宮総代、参与、福娘たち=兵庫県丹波市春日町黒井で

健康や交通安全の神として知られ、天皇を補佐する関白などを輩出した近衛家と縁の深い兵主(ひょうず)神社(兵庫県丹波市春日町黒井)が今年、22年後に控える創建1300年の節目に向け、大規模改修に取りかかる。1―3期に分け、老朽化が著しい社務所や鳥居、社殿、崩壊している土塀などの改修に手を付ける。村山勝一(かついち)宮司(50)は「地元の方にとって、『神頼み』となったときには心の支えとなる神社。元のきれいな姿を取り戻し、節目を迎えたい」と思いを語り、改修工事費の奉賛を募る。

同神社は746年に創建。戦国時代から公家や武家が深く信仰し、外戚と縁のある近衛家から厚く崇拝された。同時代の公卿・近衛信尹が参拝した際、「祈るかひあるにつけても藤原にかかる契りや春日部の郷」の和歌を詠んだという逸話も残る。

経年劣化や近年の豪雨などで老朽化が進む中、「先祖累代、心のよりどころとして受け継がれてきた神社と『祈りの心』を、より良い形で後世に受け渡したい」と、大規模改修に踏み切った。

崩壊している土塀

1期目は、社務所兼居宅の改修に着手。基礎部分の劣化でゆがんでいる建物の構造を見直す。雨漏りしている屋根も修繕する。工期は1年弱を見込む。

2期目は、根元の腐朽が進む「二の鳥居」や土塀、土壁のはがれなどが見られる「神輿蔵」を改修し、境内、参道も整備する。3期目で本殿、幣殿、拝殿を改修。屋根のふき替えも予定している。工期はいずれも10年程度を想定している。

奉賛の目標額は3億円。奉賛者には、神前で芳名を奏上し、健康長寿や家内安全を祈念する。また、額に応じ、記念品贈呈や芳名碑の設置、灯籠への刻名などの“お返し”を用意している。郵便局、JAバンク、中兵庫信用金庫から振り込む。一口1万円。

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