読者登場の謎解き小説 クラファン支援者が”名付け親”に 「大衆向け」のミステリー

2024.01.27
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読者参加型で出版した異例のミステリー小説「家出少女は危険すぎる」を手にする瞬那さん=兵庫県丹波市氷上町本郷で

兵庫県丹波市の小説家、瞬那浩人さん(63)が、インターネットを通じて出版費用を募るクラウドファンディングの支援者が“名付け親”になった人物が登場するミステリー小説「家出少女は危険すぎる」を、平成出版から出した。異例の読者参加型プロジェクトを31人が支援し、目標額の20万円を大幅に超える44万9500円が集まり、殺人犯を追う主人公や警察官のほか、企業などを命名した。瞬那さんは「大衆向けのミステリー小説。犯人は誰だろうと考えながら、伏線を見極めて」と話す。

家出した女子高生が誘拐され、犯人を名乗る男から家族に身代金を要求する電話がかかる。しかし、犯人からの連絡は途絶え、殺人事件へと発展。女子高生の先輩の女子大生や刑事が周囲の関係を探り、真相に迫る―というストーリー。複数の登場人物の視点で物語が展開し、ぐいぐいと引き込まれる。

支援者が名付けた人物は15人ほどが登場。音楽など支援者の趣味も反映させた。中にはペットの名前を付けた支援者も。地元丹波市の鹿肉料理専門店も実名で登場する。支援者が描いた挿し絵もあしらっている。

瞬那さんは「どんでん返しがいくつかある。読者10人のうち5人は犯人が分かるぐらいの『良いあんばい』で伏線を出した」とにやり。

「下弦の月に消えた女」に続く、自身2冊目のミステリー小説。「『火サス』(火曜サスペンス劇場)を思わせるような懐かしい設定で、普段、本を読まない人でも楽しめるような軟らかい内容になっている」とアピールする。

税込み1870円。アマゾンなどの通販サイトでも購入できる。

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