兵庫県丹波篠山市の大山新自治会が、地元の山林で「山の神神事」を行い、山仕事の安全を祈願した。住民7人が公民館裏の倉庫で直径約10センチ、長さ約3・5メートルのしめ縄を手作りして祠そばの大木に飾り、住民らが静かに手を合わせた。
中澤吉富自治会長によると、かつて神事を行った2月9日は「山の神の日」で、山に入ると木の下敷きになるとされ、この日は山に入らないという。20年ほど前から9日以前に行うようになった。起源は不明という。
朝から、それぞれがわらを編み始めて準備。2メートルほどの高さに設置された1本の棒に編んだ縄を掛け、縄をひねりながらしめ縄に仕上げる。2時間ほどかけて完成させ、軽トラックで約1キロ離れた祠まで運んだ。
祠の両側には高さ10メートル以上の大木が2本あり、脚立を使って木に登り、しめ縄の両端に作った細い縄部分を使ってそれぞれの木に結び付けた。祠に洗米、お神酒、サカキを供え、ろうそくを灯して、7人が静かに手を合わせた。
中澤自治会長は「高齢化で参加者が徐々に少なくなってきたが、できるだけ伝統を続けていければ」と話していた。