丹波新聞社では住民のさまざまな疑問を調べて解決する「調べてくり探(たん)」を展開しています。今回は、兵庫県丹波市在住の60歳代女性からの依頼。同市春日町山田の若宮神社にお参りに行った際、石段の途中で、長さ50センチ以上ある白いミミズのような生き物を2匹見つけました。太さは2ミリくらい。初めて見る姿に驚きました。なんという生き物でしょうか?
女性が撮影した動画を確認すると、ミミズのような細長い生き物が、ゆったりとした動きで体の先端部分を持ち上げたり、身をくねらせたりしている。「ミミズにしては長いし、ヘビかと思った。その場にいた誰もが見たことがなく、『新種かな』と言っていました」と振り返り、「正直、ちょっと気持ち悪かった」と笑う。
同神社は木立に囲われ、100段以上ある石段を上った先にある。石段を含め日差しが届きにくく、常に湿気があるような場所。
同県立人と自然の博物館に写真を送り、確認してもらうと、「おそらくハリガネムシの仲間です」と回答があった。
ハリガネムシは、カマキリなどの寄生虫として知られる。川や池に生息し、幼生時に水生昆虫に寄生する。その昆虫が羽化して陸上に出た後、カマキリなどに食べられることで、再び寄生生活に入る。成熟するまで体内で過ごし、時が来ると宿主を入水させ、再び水中へと戻り交配・産卵を行うという、不思議な一生を送る。
体色は黒いような色をしているイメージだが、同博物館によると、「体表面の色素沈着がまだだったり、白いものもいます」とのこと。「白いものは、少し高い山に行ったときに見かけることがあります」という。
女性は「今年は辰年。龍の赤ちゃんに見えなくもない」と笑っている。