たい焼き専門店「日本一(にっぽんいち)たい焼」の兵庫県内5店舗を含めた西日本13店舗のフランチャイズ店を運営する「山本グループ51」のCEO、山本隆司(りゅうじ)さん(50)=同県丹波篠山市=が、自身の生い立ちや人生訓、店舗拡大の秘話などを記した自身初の著書「この人生は、日本一たい!」を出版した。「自分に負けない生き方、自分の胸の中にある『火』を燃やし続ける生き方を伝えられれば」と話している。
「薄皮パリパリ、あんこたっぷり」が特徴の「日本一たい焼」の店舗は、丹波地域近辺では、山本さんが第1号店として手がけた京都福知山野花店のほか、兵庫西脇寺内店、兵庫猪名川渓谷ライン店がある。福知山店で出会った客との縁で、2016年に丹波篠山市に移住した。
福岡県出身。高校の公民科教諭として2年間、勤めた後、「プレーヤーでいたい」「安定より挑戦」との思いで飲食業界に入り、牛丼の吉野家で店長を経験した。2007年に「日本一たい焼」に転職。11年に独立して福知山店をオープンしたほか、島根県や岡山県などにも店を広げた。
著書は5章からなり、第1章では、厳格な父に育てられた小学生時代や、充実感が得られなかった中学時代を振り返り、第2章では、未経験で入部した強豪高校の硬式野球部で、控えながらも主将を務め、父からの「率先垂範」の言葉を胸にリーダーシップを身に付け、県準優勝に導いたことなどを回顧した。
第3章では、「希望、迷い、決意の20代」として、高校教師になってからの迷いや、本当にやりたいことを見つけた決心などをつづった。第4章では、吉野屋の店長時代、坪単価の売り上げで全国1位になった秘話など、第5章では、たい焼き作りのこだわりや、コロナ禍に負けず店を繁盛させたことなどを書き留めた。
山本さんは兵庫県三田市に住みながら、「人里離れてゆっくりと暮らしたい」との思いを持つ中で、丹波篠山市に住む客との出会いをきっかけに移住。「歴史が感じられ、ゆったりして住みやすい」と感じている。
「51歳までに15店舗に広げ、52歳で海外進出するのが目標」と言い、「80人いる従業員には、たい焼きを焼くことや、自分自身に誇りを持ってもらいたい。人手不足の中、求人にも役立てたい」と、著書出版の意図を語る。
2000円。アマゾンなどで購入できる。