年末年始に中国・珠海で開かれた「ランバイク世界選手権」の男子OPENクラス(8―12歳)で、兵庫県丹波篠山市立味間小学校4年の片桐大誠さん(10)が準優勝に輝いた。また、弟で同校2年の司道さん(8)も8位入賞と健闘。初参加で世界に日本の、そして丹波篠山の〝片桐兄弟〟の名をとどろかせた。ただ、大誠さんは、世界2位の称号にも、「頂点を狙っていたので悔しい」と唇をかみ、「次こそ世界一を取る」と闘志を燃やしている。
ランバイクはペダルもチェーンもブレーキもない二輪車で競争する競技。12月30日―1月1日に開かれた世界選手権には、中国をはじめ、台湾やインドネシア、モンゴルなど、ランバイクが盛んなアジア圏の国を中心に参加があった。
OPENクラスには50人が出場。大誠さんは昨年10月に行われた全日本選手権で準優勝したことから招待選手として、司道さんはオープン参加で参戦した。
ブロックに分かれた予選を共に1位で通過。大誠さんは準決勝でも1位、司道さんは4位で決勝に駒を進めた。
迎えた10人による決勝で、持ち味のスタートダッシュでトップをとった大誠さんは、ゴールを目指して激走。一瞬の隙に飛び出した中国の選手に差をつけられながらも必死に食らいつき、3位以下は圧倒して準優勝に輝いた。
一方の司道さんは、一時、最後尾となったが、前を行く選手の転倒に巻き込まれながら素早い立ち直りでフォロー。2人を抜き、8位入賞を果たした。
「緊張したけれど、周りはあまり気にせず、自分の走りに集中した」と大誠さん。喜びは語らず、「世界一の練習をしてきたつもりだったが、世界二の練習だったということ。今年はまず日本の大会で優勝し、もう一度、世界にチャレンジしたい」と気を引き締める。
司道さんは、「今のクラスは3月で引退。次のクラスでも決勝に進みたい」と意気込む。
共に2歳からレースに参加。父の一樹さん(41)が代表を務めるチーム「SPracing」で、母の友紀子さん(40)の支えも受けながら切磋琢磨しており、大誠さんは、「勝ったときの達成感を覚えるとはまる」と笑う。
今年の世界選手権は日本開催。実行委員でもある一樹さんは、「ランバイクはコロナ禍前までは日本が強かった。もう一度、強い日本を取り戻したい」と、兄弟と共に気合を入れている。