事故時は「ヘルプミー」 外国人が110番通報体験 警察署が講習会

2024.04.03
丹波市地域

署員らが見守る中、通報を体験するベトナム人の従業員=兵庫県丹波市春日町下三井庄で

兵庫県丹波警察署は、プラスチック部品の製造などを手がける岡田製作所(同県丹波市春日町)に勤めるベトナム人13人に、交通事故時の110番通報の仕組みを教える講習会を開いた。昨年、丹波市内で発生した外国人が絡む交通事故31件のうち、外国人からの110番通報は1件もなかったという。同署員3人が指導役を務め、ベトナム語でやり取りができる通報の仕方を体験してもらった。

1月、同製作所のベトナム人女性(25)が自転車を運転中に自動車と衝突し、負傷する事故が起きた。事故で困った際に警察に頼る方法を知ってもらおうと、岡田博美社長(74)に提案した。

実際に110番をかけて通報を体験した。「ヘルプミー」と言った後、「ベトナム」と国籍を伝えると、ベトナム語の通訳者が対応。事故が起きた場所や、けがの状態、車種などを伝えた。

同署員は、通話さえできれば携帯電話のGPS機能で場所の特定がある程度可能なことも伝え、「何か困ったら110番通報を」と訴えた。

1月に事故に遭った女性は「事故のときはどうしたらよいか分からず、怖かった。110番通報をすれば通訳がいることが分かり、安心できた」と話した。

同署によると、そもそも110番通報の仕組みを知らず、電話番号がないデータ通信専用の携帯電話を使用する外国人が多いという。

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