心のバリアフリーを! 20日「とっておきの音楽祭」 国内外から88団体が出演

2024.04.18
地域注目観光

「とっておきの音楽祭」への来場を呼びかける実行委員ら=兵庫県丹波篠山市北新町で

障がいのある人もない人も一緒に音楽を楽しむことで「心のバリアフリー」を目指す「第9回兵庫・丹波篠山国際とっておきの音楽祭」が20日午前10時半―午後5時、兵庫県丹波篠山市北新町の田園交響ホールを中心にした城下町一帯で開かれる。つながりのある台湾の人たちも出演することから、今回から「国際」を冠し、世界に向けてその理念を呼びかけるイベントにバージョンアップ。日本、海外から88団体が参加し、城下町に多彩な音楽を響かせる。

同市や丹波市のほか、県内各地、鹿児島、東京、岡山などから、障がいのある人、ない人を含めてさまざまなアーティストが参加する。

また、実行委員で、右の手首から先が欠損しているダウン症のピアニスト、鈴木凜太朗さん(伊丹市)が10年ほど前から交流している台湾の人たちが出演。「日台友好楽団」と銘打ち、障がいのある人と、その保護者らでつくる楽団が、バイオリンやピアノ、コーラスの演奏を披露する。昨年、台湾で初めて「とっておきの音楽祭」を開催したことも縁となり、来日が実現した。4月3日に台湾で大きな地震が起きたが、メンバーらは予定通り来日できるという。

ほかに「受験生ブルース」などの代表作で知られるフォークシンガーの高石ともやさん(京都市)、自閉症のバイオリニスト、本間惟彦さん(東京都)らも出演する。

「みんなちがって、みんないい」をテーマにした音楽祭は2001年に仙台市で始まり、全国各地に広がっている。丹波篠山市では、音楽祭の趣旨に共感した丹波地域の住民らが実行委員会を組織して主催。現在、全国約20会場で音楽祭が催されており、丹波篠山は3番目ほどの規模で、市も共催している。

実行委員長で車いすのシンガーソングライター、小西達也さん(姫路市)は、「コロナの規制が緩和され、参加者もコロナ前の数に戻ってきた。元気で、健康であることが、音楽を奏でる、聞くことには大事。また、平和でないといろんな思いを音楽で伝えることもできない。今年も音楽祭を開くことができ、うれしく思う」と喜ぶ。

伊丹市の施設内の喫茶店で〝陽気なウェイター〟としても活躍する鈴木さんは、本番で「栄光の架橋」「さくら」などを演奏する予定。「音楽祭は楽しい。他の出演者の演奏を聞くのも楽しい。(今回も)頑張ります」と意気込んでいる。

会場は▽田園交響ホール西側駐車場▽ホール玄関▽市役所第2庁舎前▽大正ロマン館中庭▽大手前南駐車場▽日本キリスト教団篠山教会▽円応教篠山教会▽青山歴史村中庭▽旧小島うば車店―。午後3時半から、同ホールでフィナーレを迎える。

観覧無料。会場などで支援の協賛を募っている。詳しい演奏スケジュールなどは公共施設などにあるチラシやホームページで。

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