より深く「丹波焼」知って GWにやきものの里でイベント 多彩にワークショップ

2024.04.25
地域注目観光

ポスターを手に来場を呼び掛ける市野委員長(左)ら=兵庫県丹波篠山市北新町で

日本六古窯の一つで800年の歴史を誇る丹波焼の里、兵庫県丹波篠山市今田町立杭地区の丹波焼窯元群などでゴールデンウイーク中、「第18回やきものの里 春ものがたり」(やきものの里プロデュース倶楽部主催)が開かれる。50軒の窯元がそれぞれ趣向を凝らしたワークショップを企画。その手仕事の業を「見る」から「体験する」にバージョンアップし、より深く丹波焼の魅力を伝える。プレイベントの軽トラ市や好評のマルシェが開かれるほか、各窯元でのサービスなど、多彩な内容が繰り広げられる。

28日―5月5日(30日除く)に各窯元で行われる「ワークショップin工房」は、丹波立杭陶磁器協同組合の組合員が、皿やカップ、花器・酒器の作陶や絵付け作業など、さまざまな体験の機会を提供する。

通常の体験とは一味違い、ぐい飲みを作り、窯元が焼成した後、地酒と共に送ったり、種類の違うぐい飲みで酒を飲み比べたりする企画や、3Dプリンターで制作した原型で器を作る変わり種もある。

これまで窯元の仕事場を開放する「オープン工房」を行ってきたが、丹波焼の里が大阪・関西万博を機にした「ひょうごフィールドパビリオン」のプレミア・プログラムに選定されたことから、訪れる人々により魅力を伝える機会を創出しようと企画。万博への試験的な要素も含めて一斉にワークショップを展開することにした。

毎回、好評を博している「トチノキマルシェ」は、3―5日午前10時―午後4時に丹波伝統工芸公園「立杭陶の郷」(同市上立杭)のお祭り広場で開催。手作り雑貨やピザ、炭火焼あまご、カレー、日本酒など、飲食や物販の13店が軒を連ねる。

期間中、無料通信アプリ「LINE」を使ったスタンプラリーも実施。対象施設を巡ってQRコードを読み取り、5つのスタンプを集めると抽選(はずれなし)に参加でき、丹波焼のクーポン(1万円×5本など)や、兵庫陶芸美術館(同市上立杭)の招待券、こんだ薬師温泉ぬくもりの郷(同市今田新田)の割引券などが当たる。

プレイベントとして行う軽トラ市は、27日午前10時―午後4時に兵庫陶芸美術館入口周辺の市道の一部で開催。21軒の窯元が軽トラックの荷台で陶器を販売し、物産・飲食の11店が出店する。

若手作家の「グループ窯」が3―6日、陶の郷で「融合」をテーマに作品展を開くほか、陶芸美術館でもさまざまなイベントが開かれる。

実行委員長の市野雅利さんは、「ワークショップを通して、より深く丹波焼を知ってファンになってほしい。小さな産地だが、万博に向けて一致団結し、国内はもちろん、海外の人にも知ってもらいたい」と話している。

春ものがたりの詳細、その他のイベント、窯元の所在地などを掲載した冊子を各窯元や施設、市役所、観光案内所などに置いている。

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