石川県七尾市で新緑の木々の間を飛び回っていたのは野鳥の「メジロ」。黄緑色の体と尖ったくちばしが葉に擬態しているかのようだ。
全長12センチほどの小さな鳥。開花した桜や梅の花と一緒に撮影されることが多く、「春」のイメージがあるが、日本では多くの地域で「留鳥」のため季節的な移動をしない。
1月の能登半島地震以降、出張で何度も能登を訪れてきたが、野鳥を撮影するのは初めて。地震によって人々の暮らしは大きく変わったけれど、その中でも変わらずたくましく生きる鳥たちの姿をどうしても写真に収めたかった。
取材の合間の限られた時間しかなく、出合えたのはメジロとヒヨドリ、ホオジロくらいで、撮影できたのは数枚。それでも能登で鳥たちの姿を見られたことは、とてもうれしかった。
撮影を終えて移動している車中で二度の緊急地震速報に見舞われた。停車した目の前にある崩れかかった民家がグラグラと揺れ、心臓がバクンと跳ねる。
メジロさん、人の生活はまだまだ大変です。けれど、一日も早く君たちのようにいつも通りの生活ができる日をただただ祈っています。
【丹波新聞出張鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)