「教えて」モチベーションに
あるときはフルート奏者、あるときは英語教室の先生―。神戸女学院大学大学院に在学中で、大学講師を目指しながら、丹波篠山市大芋地区を中心に活躍の幅を広げている。
篠山東中学校時代の吹奏楽部でフルートに出合った。今、使っているフルートは、当時、祖父に買ってもらったもの。その柔らかく、上品な音色のとりこになり、篠山鳳鳴高校、神戸女学院大学に進んでも続けた。大学院に進んだ昨年からは、地元出身のプロのフルート奏者、三原萌さんとつながり、レッスンを受けている。地元でのミニコンサートなどに出演しているほか、コンクール挑戦にも意欲的だ。
幼い頃、母親が買い与えてくれた英語教材に興味を持ち、小学校1年から英会話教室に通った。高校生になると、同市が姉妹都市提携を結ぶ米・ワラワラ市への訪問団に参加。「自分の気持ちが通じた」成功体験が今につながる。大学4年の時、地元の美容院で「小学生の娘が英語に自信が持てない」と相談を受けたのが教室を始めたきっかけ。自宅と、「泊まれる学校 おくも村」で開講。「友だち同士で、私も一緒になって教え合う雰囲気を大事にしている」と話す。
「丹波篠山が大好き」。フルートの初舞台は、始めたばかりの中学生の頃に地域の敬老会、花見などの席で、自ら出演を申し出た。みんなが「上手、すごい」と褒めてくれた。自宅で練習していても近所の人から苦情一つ言われたことがない。今思えば、地域に育てられた。
現在、市内の中学校でも英語やフルートを教える機会を得ている。「英語も、フルートも、子どもたちの『教えて』が、自分を高めるモチベーションになっている」。23歳。