兵庫県丹波篠山市立城東小学校で3年生(21人)を対象にした「水辺の安全教室」が開かれた。児童たちは2リットルの空のペットボトルを浮き代わりにした浮遊体験と、おぼれている人を救助する仕方を学んだ。
「自分の命は自分で守る」意識や知識、技能を身に付け、安全に楽しく水辺で活動してもらおうと、公益財団法人・B&G財団が全国で展開している体験学習プログラム。同財団が認定する「センター・インストラクター」の資格を持つ奥井ちひろさん(23)が講師を担当した。
奥井さんは浮遊体験で、ペットボトルを、▽胸元に抱く▽Tシャツの中に入れ、胸元か背中の位置に置く▽膝裏に挟む―浮き方があることを伝え、児童たちはプールの中でそれぞれを試して自分に合った浮き方を探った。
救助体験では、ボトルネックを長いひもで結わえた空の2リットルペットボトルの中に、おもりとするための少量の水を入れて用意。奥井さんは、ひもをしっかりと握り、もう片方の手でおぼれている人の奥にめがけてペットボトルをふわーっとした軌道を描くように投げる、と解説。児童たちは、プールに浮かべたフラフープを要救助者に見立て、そこに向けて何度も投げる練習をした。
奥井さんは、「おぼれている人を見ても絶対に水の中に入らないこと」と注意を促し、ペットボトルのほか、バレーボールやクーラーボックス、ランドセルなども浮き代わりになることを説明。「夏休みには海やプールに出かける機会が増える。きょう習ったことをもしものときに生かして。1人で水辺に行かないように」と伝えていた。
浮遊体験でラッコのようにぷかぷかと浮いて見せた児童の東田侑士さんは「ペットボトル1本で体が浮いた。怖くなかったで」と話していた。