兵庫陶芸美術館(兵庫県丹波篠山市今田町上立杭)内の丹波焼の里情報コーナーで、夏の企画展「YOUTH TAMBA―若手がつくる丹波焼」が開かれている。20―30歳代の丹波焼陶芸家15人が、夏を意識した涼しげな作品を中心に約40点を出品。フレッシュで独創的な感性で作られた作品がずらりと並び、作家たちのあふれんばかりの個性が感じ取れる。
上半分に釉薬を施し、鮮やかな朱色に発色させたワインクーラー、全面をつや消しの緑色の釉薬で仕上げた花器、縁から底に向かって水色から白色へと移りゆくグラデーションが涼やかな深鉢などが目を引く。他にも象嵌(ぞうがん)や鎬(しのぎ)など丹波焼の伝統的な技法で装飾した作品も見られ、常識にとらわれない造形と色味の中に伝統が垣間見られ、来場者の目を楽しませている。
同コーナーは、同美術館を拠点に丹波焼の里の魅力を発信しているボランティアグループ「やきものの里プロデュース倶楽部 陶芸文化プロデューサー」が運営。
同グループは、「850年の伝統を受け継ぎながら、今を映す作品に挑戦し、新たな丹波焼の時代を刻もうと夢に向かって歩む若手作家たちの作品を通じて、丹波焼産地の新たな鼓動を感じ取ってもらえたら」と来場を呼びかけている。
8月25日まで。月曜休館。入場無料。
出品作家は次の皆さん。
市野ちさと(丹泉窯)、大上裕樹(昇陽窯)、市野秀作(省三窯)、市野健太(雅峰窯)、松本格(まるまつ窯)、大上晃司(窯元やまの)、市野大輔(雅峰窯)、市野翔太(陶幸窯)、清水辰弥(炎丹久窯)、市野麻由子(省三窯)、市野貴信(信水窯)、大上恵(大熊窯)、森本祐介(丹山窯)、市野弘通(市野伝市窯)、市野耕(ココチ舎)