米の品薄が続く中、米産地の兵庫県丹波市内は高温少雨で生育がやや早まったのに加え、「台風10号の接近前に稲刈りを」と収穫を前倒しする生産者が多く、野菜直売所や米穀店の店頭に新米が並び始めた。台風が去り、稲刈りが本格化。米の取扱量が多いJA丹波ひかみが14日から新米販売を予定しており、市内の米の品薄は解消する見通し。
「足立米穀」(同市氷上町)の足立正己さん(69)は「稲刈りが前倒しになったから早く新米販売が始められた。皆さん、走り回って探してはったから良かった」と話す。大量の予約も、2日に発送が一段落した。
同店は10キロ4900円で市産コシヒカリを販売。前年より1000円のアップ。「仕入れ値が上がったから値上げさせてもらった。米の生産量が減っており、個人的には米価は下がらないと思う」とみている。
新米の購入に訪れた女性は「あちこちの直売所を探し、パックご飯を買ってしのいだ。これで安心」と笑顔だった。
同店は、ゴールデンウイーク頃に品薄の兆しを察知し、早めに手配。本格的に品薄になった8月は「1人5キロ」の制限をかけ、何とか品切れなしに新米につなげた。