丹波栗の食害相次ぐ イガ割り中身食べる 1頭捕獲も「他にいる」

2024.10.05
地域地域自然

クマに中の栗を食べられ残ったイガ。人が集めたようにまとまっているが、クマの仕業=兵庫県丹波市青垣町小倉で

ドングリ、柿共に不作で、ツキノワグマに丹波栗が狙われる懸念が、現実のものになっている。兵庫県丹波市と県丹波農林振興事務所によると、クマに栗の木の枝が折られる被害が、9月30日までに同市内の青垣、氷上、市島で出た。被害個所に有害捕獲用のドラム缶わなを設置。このうち、市島でわなにかかった1頭は殺処分された。仕留めた猟師は「1頭だけということはない」と、引き続き警戒を呼びかけている。

青垣町小倉は2つの園が被害に遭ったことが30日に分かり、即日、わなを設置した。

30日朝、樹齢15年ほどの「美玖里」の木の枝が折られているのを栗拾いにきた園主が見つけた。青いイガを割って中の栗を食べ、吐き出した鬼皮がイガの近くに散乱していた。収穫には少し早く、鬼皮は薄茶色。栗を食べた後のイガは、人が集めたようにまとめられていた。

市の担当者が周囲を調べ、隣の園で「銀寄」の枝が折られた、同様の食害を確認。所有者らと相談し、この園にわなをかけた。

被害に遭った園主の一人、足立義郎さんは「栗の被害は聞いていたが、まさかうちがやられるとは。大損害」と悔やむ。枝が折られる損害は今年だけの話ではなく、来年以降も減収が尾を引く。

クマが吐き出した鬼皮

捕獲用ドラム缶わなは現在、同町小倉のほか、同町東芦田(9月22日付、2週間の設置期間中に捕獲できず、再度申請)、氷上町香良(同25日付)の3カ所に設置している。

市島町市ノ貝ではクマの捕獲に成功した。9月に入り、たびたび痕跡情報があった。27日に栗の枝が折られたのを受け、捕獲わなを設置。翌朝かかった。ハチミツで誘引した。

地元猟師(82)によると、体長1メートル10センチ、体重60キロ弱の雄だったという。この猟師は、「クマは見るのも初めてだった。9月はじめにうちの柿も食べられた。この辺りにいるのが1頭減っただけで、クマは他にもいる」と話している。

9月に入り、青垣町西芦田と市島町岩倉でわな設置許可が出たが、捕獲に至らなかった。

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