兵庫県丹波市内で精力的に音楽活動などに取り組むグループ「たんばオカリナクラブ」が、世界中で親しまれるボードゲーム「ラミィキューブ」の同好会を立ち上げ、輪を広げている。同市で初開催された大会後に発足し、60、70歳代を中心に約60人が入会。会員たちはシンプルながら奥深いルールに「楽しみながら『脳トレ』になる」と熱中している。今後、協会を立ち上げて市内各地区に支部をつくり、定期的に大会を開きたいという。
発足のきっかけは、4月に初めて市内で開催された大会。体験した同クラブの依田教子代表(75)=同市柏原町=が「脳細胞が活発になり、エキサイティング。丹波市に広めたい」と感銘を受けた。
同クラブ会員や友人らに声をかけ、母体のオカリナクラブのほか、▽グラウンドゴルフ▽トランプゲーム▽はがき絵・けしごむはんこ▽健康マージャン―に続く活動として立ち上げた。
同町の柏原自治会館で毎週水曜日に活動。組み合わせられる数字を教え合い、世間話を弾ませながら、和気あいあいと楽しんでいる。手元と、「場」のタイルの数字を常に見極めなければならないため、脳はフル回転。脳が程よく疲れ、寝つきが良くなった参加者もいるという。
8月に初めて交流大会を開き、大人や高校生など25人が出場。世代を超えて“静かな熱戦”を繰り広げた。
90歳代の会員もおり、多くの会員が自宅でボードゲームセットを購入し、孫らとプレーを楽しんでいるという。柏原町のほか、青垣町、市島町でも支部が発足し、毎週水曜日に集まっている。柏原町では、毎月第1、3土曜日に活動する「子どもの部」も立ち上げた。
藤田由美さん(山南町)は「眠っていた脳細胞が元気になる感じがする」と話す。会員の女性(69)は「展開を見ながら、場のタイルを崩していくのに頭を使う。集中力が養われ、『ボケ防止』になる」と笑う。
依田代表は「機械を使わず、世代を問わずに交流できる」と魅力を語り、「市内の老人会などで普及させたい。交流大会は3カ月に1回ぐらい開催できれば。丹波から全国、世界大会に出場できる代表者を出したい」と夢を描く。
〈ラミィキューブ〉 青、赤、黄、黒の4色の、1―13の数字が書かれたタイルを組み合わせ、同じ色の連番3枚以上か、異なる色で同じ数字が3―4枚になれば場に出せる。全て場に出し切った人が勝利。場にあるタイルも自由に組み合わせられる。戦況に応じた組み合わせ方を考える頭脳と、最初に配られるタイルの運の両方が求められる。