かやふき替え支援募る クラファンに初挑戦 「劣化早くなっている」

2024.11.04
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返礼品のオリジナルタオルや御朱印帳を手に、寄付の協力を呼びかける門脇住職(中央)と総代ら=兵庫県丹波市山南町太田で

兵庫県丹波市の古刹、慧日寺(山南町太田)が、本堂のかやぶき屋根のふき替え資金を調達するため、インターネットを使って支援金を募るクラウドファンディング(クラファン)に初挑戦している。近年、屋根の傷みが早くなり、檀家だけで費用を工面することが難しくなっており、広く協力を呼びかけている。

今月15日からインターネットサイト「READYFOR(レディーフォー)」で受け付けを開始した。寄付額は3000―10万円まで12コースあり、返礼品として、限定御朱印やオリジナル朱印帳、家紋入りタオルなどを新たに作った。

同市氷上町の達身寺が、同じくかやぶき屋根のふき替え資金をクラファンで調達したことを知り、総代会で「一度やってみよう」と決定。野垣智総代代表(69)らが、慣れないインターネットの専門用語に苦戦しつつ、東京のサイト担当者とテレビ会議やメールでやり取りを重ね、開設にこぎつけた。

同寺は、永和元年(1375)に足利三代将軍の管領細川頼之と、弟で養子の頼元により建立された。禅宗の臨済宗妙心寺派の中本山。本堂、庫裏、裏門、経蔵、鐘楼は国登録有形文化財に指定されている。

本堂と庫裏は全面かやぶきで、8面のかやぶき屋根があるのは県内でも珍しいという。今年は本堂、来年は庫裏をふき替える計画で、費用はそれぞれ約1200万円。県と市の補助金約500万円を除いて700万円程度の費用を賄う必要があるため、門脇良法住職(43)は「クラファンで、少しでも檀家さんの負担が減れば」と話す。

傷んだ面を順にふき替えており、門脇住職によると、以前はふき替えの頻度が10年に1度ぐらいだったが、今は5年から3年くらいに早まっているという。「はっきりした理由は分からないが、酸性雨や動物被害などが原因では」とする。

クラファンは29日に目標額の400万円に達し、第2目標の600万円に切り替えて、引き続き支援を募っている。「予想以上の反響でありがたい」と野垣総代代表。支援期間は12月13日まで。

本堂の工事は始まっており、見学もできる。1日から始まる丹波市観光協会の「丹波もみじめぐり」(12カ寺)に参加しており、門脇住職は「モミジと合わせて、伝統の植物屋根のふき替えを見ていただける良い機会になるのでは」と話している。寺での寄付も受け付けている。

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