県立人と自然の博物館 (三田市) は7日、 丹波市山南町上滝の篠山層群下部層 (約1億1000万年前) から、 曲竜 (きょくりゅう) 類 (鎧竜) の歯の化石1点が産出したと発表した。 曲竜類の化石は国内4例目で、 歯の化石では国内最古。 篠山層群で見つかった化石の恐竜グループは、 5つになった。 古市小学校3年生の田中翔己君 (9) が、 化石を探す体験会で発見した。
歯は、 幅3・7ミリ、 高さ5・7ミリ、 厚さ2ミリ。 手のひらのような形をしている。 曲竜類にしかみられない歯の形であることから特定した。
後期白亜紀の歯は熊本県で見つかっているが、 前期白亜紀の歯は初めて。 曲竜類化石はこのほか、 足跡と頭骨の破片が一例ずつ見つかっている。
曲竜類は、 ▽4つ足歩行▽植物食性▽背中に装甲―の特徴を持つ。 外敵から身を守るため、 硬い背中の皮膚の下に、 板のような骨の固まりが埋まっているという。 体長は約1―2メートルで、 頭や歯は小さい。 曲竜類の仲間には、 アンキロサウルスやノドサウルスがいる。
篠山層群でこれまでに見つかった恐竜は、 獣脚類、 竜脚類 (丹波竜)、 角竜類、 鳥脚類。 同博物館の三枝春生主任研究員は 「いろいろなグループの化石が幅広く産出している。 小さい化石まで残っており、 今後さらに多様な恐竜化石が見つかるかもしれない」 と話している。
10日まで、 今回見つかった化石を同博物館で一般公開している。
写真・見つかった曲竜類の歯 (幅3・7ミリ、 高さ5・7ミリ、 厚み2ミリ)