兵庫県内で狩猟が解禁され、同県丹波篠山市では猪肉を使った郷土料理「ぼたん鍋」の本格シーズンを迎えた。発祥の地で約40店舗が提供。文化庁が地域に根づく食文化をPRする「100年フード」に認定されたことを機に、料理店や観光協会などが一体となって魅力発信に意欲を燃やしている。
21年度から同市内でも感染が確認された豚熱の防疫上の観点から、今シーズンも県内産の猪肉は市場には流通しない。そのため、各店舗は感染エリア外から仕入れた良質の猪肉で提供している。
丹波篠山市観光協会長の中村浩二さん(56)は、「猪肉が上質でおいしい、地野菜がおいしい、各店のだしがおいしい。この3拍子がそろっているからこそ、お客さんに支持されている」とアピールする。
同市遠方の宿泊施設「タノシックリゾート西紀荘」の代表取締役、水口義人さん(42)は、「地域の伝統であり、自然への敬意の表れであり、継承していくべき食文化。今シーズンもより多くのお客さまに丹波篠山を味わってもらいたい。ぼたん鍋で心も体も温まってもらえたら」と呼びかけていた。