兵庫県丹波篠山市は、農薬や化学肥料を使用せずに栽培したコメ「有機チャレンジ米」を、市内全33校園の給食に提供(計約870キロ)した。
有機農業を推進する「丹波篠山ワクワク農都づくり協議会」を構成する認定農業者が栽培したもので、有機JASの転換に取り組むコメを有機チャレンジ米としている。
提供に合わせて、今年度、県の食育推進校に指定されている今田小学校では、5年生(23人)を対象にした食育授業が実施。同協議会の構成員で、2021年度から学校給食に有機野菜を納めている「篠山自然派」のメンバー、酒井菊代さん(69)と中末智己さん(54)が務めた。
2人は、「有機農業は自然の生態系に合わせた農業で、心にも体にも優しい野菜が作れる」「少し虫食いがあるけれど、虫も一生懸命生きている。人だけが食べ物を独占するのではなく、互いに分け合い、みんなで一緒に生きていく、というのが有機農業の考えで、環境を守っていくことにもつながる」と訴えた。
熱心に話を聴いていた児童は、「私たちにも安全な野菜だと分かった。自然と共存した農業ということにも関心が持てた」と話していた。