全13候補者にアンケート 訴えたい政策や物価高騰対策は?/参院選・兵庫選挙区

2025.07.15
ニュース地域注目選挙

参議院議員選挙の兵庫選挙区(改選数3)は、現職2人、元職1人、新人10人の13人が立候補している。過去最多となる前回選挙と同数の激戦になっている。20日の投開票に向けて、消費税率の引き下げの是非を含む物価高対策など、それぞれの訴えを有権者に届け、支持を呼びかけている。

丹波新聞社では有権者の判断の一助にと、全候補者にアンケートを実施。国政レベルの課題から、兵庫・丹波地域とのかかわりなどを問うた。

設問は以下の通り。

Q1.あなたが最も訴えたい政策は?
Q2.消費税率の引き下げの是非を含む物価高騰への対策は?
Q3.これからのコメ政策はどうあるべきか
Q4.あなたと丹波地域との関わりは?

回答は届け出順。

来住文男氏

来住文男氏(社会民主党・新、65)

Q1 公共交通、鉄道ローカル線、バス輸送を守っていく。鉄道は社会インフラ、移動権、守らなければならない。JR西日本、兵庫県路線は山陰本線・加古川線・姫新線・播但線、4路線、6線区の2021―23年の赤字平均額が城崎温泉~浜坂:9億1000万円、浜坂~鳥取:7億3000万円、西脇市~谷川:2億5000万円、播磨新宮~上月:5億9000万円、上月~津山:4億2000万円、和田山~寺前:5億6000万円とし、今回見直し表明。

Q2 消費税ゼロ。特に食料品の税率はゼロにすべき。大企業の内部留保600兆円に対し税金をかけるとともに企業減税を是正する。

Q3 第1産業への予算を増やす。特にコメ生産農家、国の制度として、生活できる収入の保障(所得補償)を行うべき。

Q4 加古川線廃止反対、西脇―谷川間線区の利用者が少ない。丹波市にある谷川駅は加古川線と福知山線の境目の駅、ローカル線問題を考えるときに重要な地域であり、今後も関わりを持っていきたい。

 

 

浦木健吾氏

浦木健吾氏(日本誠真会・新、42)

Q1 帝国憲法の現存確認。

Q2 消費税廃止(ゼロ)。

Q3 減反政策をやめ、コメの流通と価格の安定化を図る。

Q4 支援者がいる。

 

 

 

 

 

 

藤原誠也氏

藤原誠也氏(参政党・新、37)

Q1 たくさんありますが、一番は経済政策です。給料は変わらないのに、物価高・増税と国民生活は非常に厳しい状況です。共働きを余儀なくされ、子どもと過ごす時間すら取れない。政治や社会のことを考える余裕がないのも無理はありません。国民負担率に35%の上限を設けて、個人と企業の負担を軽減し、経済の成長を促します。税は財源ではない。国債発行は悪ではない。という認識も訴えたいと思っています。

Q2 消費税は廃止すべきと考えています。しかし、消費税がなくなったところで物価が一律に下がるとは考えていません。短期的な期待しかないと思っています。食品の値段は需要と供給によって常に変動するからです。物価高騰への対策はやはり所得の向上です。物価高騰を上回る所得向上によって経済循環が生まれます。まずは減税(国民負担率の軽減)と積極財政、内部留保や投資家への配当にも規制をして従業員の賃上げにつなげます。

Q3 米の問題は値段に注目が集まっていますが、元の原因を作ったのは明らかに政府の減反政策だと思っています。日本の主食である米を作ってくださる農家のことを考えないといけません。値段が下がれば農家の収入も減ってしまいますし、高齢化した農家の後継ぎも期待できません。とにかく米や作物を作ってもらう。政府は適正価格で買うなどして農家の生活を安定させる必要があります。参政党は1次産業従事者の公務員化も提案しています。

Q4 20代の頃、勤めていた設計事務所の仕事で、行政の仕事を請けていたので丹波市や丹波篠山市の市役所や学校などによく行っていました。のどかな自然が美しい日本の原風景で、古い町並みも素敵です。私の出身地である加古川市志方町も田園風景が残る地域で、農地や森林の保全には関心が高いです。また、兄が狩猟をしており、イノシシ肉を食べる機会が一般家庭より多いのも共通点かもしれません。

 

 

加田裕之氏

加田裕之氏(自由民主党・現①、55)

Q1 所得税減税、ガソリン・光熱費の対策、備蓄米の放出などに加え、食品消費税の時限的減税、低所得者層へ給付など、物価高に苦しむ国民生活を守ります。中長期的には物価高を上回る賃金上昇、持続的な実質賃金のアップが根本的な対策です。賃上げは大企業と中小企業では上昇率に差があり、中小企業が多い丹波地域でも物価高を上回る賃金上昇を実現するために、生産性向上補助金の拡充や労働分配率向上を実現します。

Q2 時限的に国民生活に直結する食料品消費税の引き下げは早急に検討すべきで、同時に物価高騰への対策を行うことで多面的に国民生活への影響を最小限に抑制すべきだと考えます。根本的な物価高対策は実質賃金のアップです。丹波地域では1次―3次産業が盛んなので、実質賃金を上げるためには、生産性向上が欠かせません。そのためには省人化、DX化、ICT化などですが、それには多額の投資が必要なので、補助金や支援策などを講じます。

Q3 食糧安全保障の観点からも、主食であるコメの自給率を保持することは重要。そのため、地域ごとの特性(沿岸部・山間地・都市近郊など)や農家構成に応じた補助スキームを再構築するなどし、適正な価格形成に努める必要がある。政府が実施する流通・在庫状況の調査や、コメ農家を対象とした将来の生産に関する意向調査の結果を踏まえ、スマート農業や担い手の育成など、持続可能な供給体制の構築を図るべきである。

Q4 全国ブランドである丹波黒大豆をはじめ、多くの特産品のPR、また、丹波立杭陶磁器協同組合と連携し、焼き物産地初の文化観光推進事業の指定に尽力。丹波市市島町を襲った平成26年の台風11号被害において、県議会建設常任委員として災害復旧・復興の審議に加わる。東播丹波連絡道路の地元の市長、県議、市議と要望活動を展開。JR加古川線(西脇市駅―谷川駅間)の維持存続への要望活動など、現場を歩き丹波地域の魅力をアピールしている。

 

 

高橋秀彰氏

高橋秀彰氏(無所属連合・新、42)

Q1 中小規模事業体(特に第1次産業)への振興策、支援並びに減税などの負担軽減措置を通じて、日本の中間層を復活させ、全ての産業における国産率、自給率の向上を目指すことで経済と食糧の安全保障を達成すると同時に、経済循環を活性化する。

Q2 税による富の再分配の機能に立ち戻り、あるところから徴収し、ないところからは取らない政策を行う。まずは、インボイスの廃止などの小規模事業者の負担軽減や、消費減税によってその負担率を下げる仕組みを導入する。もしくは輸出企業に限られている、輸出還付金を全ての事業者に適用し、仕入れの際に払った税金の還付を受ける仕組みに変え、事業者の負担を軽減する。

Q3 アメリカの価格支持政策のように、生産にかかるコストなどから算出された、農家(特に中小規模)が食べていける目標価格を設定し、市場価格がそれを下回った場合は、その差額を補填する制度を導入することで、農家の持続可能性を担保する。また、中山間支払いを拡充し、地域格差を是正する。

Q4 2013年に丹波市に移住し12年間、農業を営む中で、村の一員として、運命共同体として生活させていただき、人が人らしく生きるということを学ばせていただいた。規模を問わない第1次産業を生業として村に住む人を増やし、伝統と自然環境をしっかりと引き継ぐ形で、にぎわいある村を再興したい。

 

 

多田ひとみ氏

多田ひとみ氏(国民民主党・新、45)

Q1 兵庫から始める、実効性のあるネット被害救済制度改革。企業の利益が働く人の賃金に反映される仕組みづくり。人手と賃金に悩む中小企業へDXワンストップ支援。産学官連携による技術人材育成校の創設。就職氷河期世代に再挑戦の機会を。

Q2 基礎控除を103万円から178万円へ引き上げて手取りを増やし、消費税を段階的に一律5%へ減税して個人消費を促進。加えて、大企業の労働分配率の開示を義務化し、実質賃金の上昇を促す経済体制を構築します。

Q3 主食用米の不足に対応し、作付け誘導と生産支援を強化。担い手農家への直接支払いや水田活用交付金を見直し、主食用米への回帰を促進。需給調整と備蓄拡充で価格と供給の安定を図る。

Q4 丹波は自然と人の温かさにあふれた、私にとって大切な地域です。地域の方々と対話を重ね、農業や子育て、高齢化などの課題にも触れてきました。これからも丹波の声を政治に届けていきます。

 

 

前田みさ氏

前田みさ氏(チームみらい・新、33)

Q1 社会保障費の引き下げです。現在、大学生の半分は奨学金を借りており、20―30代は奨学金を返済しながら、高い社会保障費が毎月の給与から引かれ、手取りは少ししか残らない現状です。その中では結婚や出産を考える余裕のある者は少なく、少子高齢化は更なる加速をしてしまいます。兵庫県は全国の中でも特に子育てのしやすい場所です。兵庫県を全国がならうためには、社会保障費の引き下げが就労世代と将来の日本の立て直しのためには不可欠です。

Q2 消費税の引き下げには慎重になるべきだと考えています。消費税の引き下げは等しく全ての人が恩恵を受けられますが、生活費によって恩恵を受ける度合いが異なってしまうためです。生活費を極限に切り詰めている方は少しの恩恵しか受けられず、生活費を多く払っている方が多くの恩恵を受けてしまいます。物価高騰対策としては、困窮している方により多くの恩恵がいくよう、現金給付が良いのではないかと考えます。

Q3 現在、コメに起きていることは、コロナ禍のマスクと共通点があります。報道を見て在庫や供給力への不安を感じ、買いだめの心理が働きやすく、在庫不足・高価格がさらに促進されてしまっています。現在、在庫が不足しているのかさえ不明な状況の打破には、まずはコメの在庫の可視化を進めるため農家・JA・小売りなどにおける在庫数を把握する制度を確立させることで、安心して安定した価格でコメを買える状態にするべきだと考えます。

Q4 私は甘栗や栗ご飯が大好きなので、兵庫に住み始めて丹波の栗を初めて食べた時には大変感動しました。栗の中でも大きく甘いものが好きなので、丹波の栗はまさにその代表格なので、いつも季節になるとおいしく頂いていました。3歳の子どもとも、昨年の秋に初めて栗ご飯を一緒に作って食べたのですが、私同様、栗ご飯が大好きになったようで、今年の秋もとても楽しみです。

 

 

米村明美氏

米村明美氏(れいわ新選組・新、65)

Q1 消費税を廃止し、物価高と実質賃金の低下に苦しむ市民を直接支援します。インボイス制度は廃止し、中小企業や個人事業主を守ります。社会保障・教育・農業に対しては積極財政で人への支援や供給力強化で人々の暮らしと命を守ります。失われた30年を40年にしないためには、まずは経済政策の大転換が重要です。

Q2 消費税は所得の低い人ほど負担が重く、物価高騰と相まって生活を直撃しています。れいわ新選組は消費税を廃止し、物価高に苦しむ全ての人の生活を守るべきと考えています。消費税負担の軽減による税収の穴埋めは、大企業や富裕層が負担する税の累進化で物価高騰を抑えつつ国債発行を活用します。消費税引け下げに一定の時間がかかる場合には予算措置だけでできる一律現金給付(10万円)の手段もつなぎの選択肢です。

Q3 現在までの政府政策は、減反を公式にはやめたといっても国内需要ぎりぎりの水準まで減産を米農家に押し付ける、事実上の減反政策である。生産調整を廃止し、農家の自由な生産で米を増産し、「価格保証」「所得補償」を実施し、余剰米については政府が買い上げ、災害時や国内外の生活困窮者への食糧支援にも回せるように「備蓄強化」を実施すべきである。

Q4 丹波篠山市やその周辺には支援をしてくださっている方々がおり、交流や現地への訪問を行いました。丹波篠山市を気に入って、移住して農業をしている支援者もいます。教育と並んで私が重要視している農の可能性を持つ地域だと感じています。

 

 

高橋光男氏

高橋光男氏(公明党・現①、48)

Q1 物価高における厳しい生活の負担を直接軽減する「減税」の実現。それまでの措置として「給付」などの効果的な支援で家計を応援。備蓄米の活用・流通の円滑化などで当面の価格を抑制。コメの増産や備蓄米の機能拡大など今後の安心につながる抜本的な対策。兵庫産品のブランドを海外へと売り込み、インバウンド倍増。交通網の整備促進、神戸空港の国際化とともに港湾拠点の国際競争力向上などで兵庫経済の活性化。

Q2 物価高から国民生活を守り、家計の負担を軽減するために、減税と給付を適切に組み合わせる。一時的な物価高対策のための消費税率引き下げは、事業者の手間なども考えると非効率、適切ではない。軽減税率について、財源を確保しながら、福祉的な観点から税率を深掘りし、恒久的な措置にしていくことが必要。軽減税率が果たす役割や機能を一層拡大し、生活の安心へとつなげていくために、税率の引き下げなどについて検討を進める。

Q3 消費者と生産者が納得できる価格に落ち着くよう、肥料・燃料などの生産・流通コストの増加を適切に反映するとともに、きめ細かな流通実態調査と取引適正化に向けた監視機能の強化が必要。農家の所得向上に向けて生産性を向上させるため、農地の大規模化・集約化、担い手の育成支援、スマート農業や高温に強い品種の導入を推進する。コメの価格下落や不作時など農家の経営リスクを支えるセーフティネット対策として収入保険を拡充すべき。

Q4 公明党兵庫県議団が定期的に開催している「地域政策要望会」において、丹波市・丹波篠山市の市長らと直接意見交換し、中核医療体制の充実や少子化対策などの地域課題の要望を受けてきた。昨年は、有機農業の技術や経営ノウハウなどを実践的に学べる丹波市の農の学校を訪問。同市から、生産者がアクセスできる有機農業普及指導員の配置や、生産者の技術向上と問題解決のための支援強化などの要望を受けた。

 

 

立花孝志氏

立花孝志氏(NHK党・元、57)

Q1 民放とNHKの隠ぺい体質。TBS報道特集を中心として、未だ兵庫県政に関する酷い偏向報道や報道しない自由という名の隠ぺいが続いている。未だ一方的な批判が続く斎藤元彦知事を全力で応援したい。

Q2 消費税率は5%以下へ引き下げる。一時的な現金給付ではなく、恒久的な減税によって国民の可処分所得を増やし、経済の健全な循環を促すべきだ。また、医療介護などの社会保障制度を抜本的に見直し、働く世代に重くのしかかる社会保険料を大幅削減する。

Q3 わが国の米政策は、減反政策と備蓄米放出を繰り返す場当たり的運用が続いており、これが「政治的安全弁」となっているとの指摘は看過できない。農林水産省倉庫に滞留する備蓄米の現状は政策効果を損なっており、国民負担の軽減と市場の健全性確保の観点から、備蓄政策の透明化と需給調整の抜本的見直し、農業政策全体の規制改革を進めるべきである。

Q4 丹波牛の魅力を全世界に伝えていくことにより、地域経済の発展に寄与する。

 

 

吉平敏孝氏

吉平敏孝氏(日本維新の会・新、44)

Q1①社会保険料負担の引き下げ 社会保障制度改革により社会保険料負担を引き下げます。そして未来を担う子どもたちの負担を減らします。②食品消費税の引き下げ 緊急を要する物価高対策として食品消費税0%(2年間)を実行します。③地域の活性化 規制緩和を通じて、丹波地域でも新たな技術を活用した農業の振興、空き家を活用した農家民宿やレストランの創業支援、ベンチャー企業が次々と生まれる環境づくりを行います。

Q2 物価高対策として食品消費税0%(2年間)を実施し、低・中所得層、年金生活者、食べ盛りのお子さまを抱える家庭の苦しい家計を支えます。

Q3 農業の担い手の確保、農産物流通の簡素化、複線化に取り組むとともにAI技術など先端技術を活用し、コメ農家をしっかりサポートします。コメの高騰対策としては、コメの流通経路を多様化して直接消費者に届けるとともに、備蓄米の適切な市場への放出ルールを策定し、市場への円滑な供給を図ります。

Q4 丹波の皆さんは、豊かな自然の中で丹波黒豆などのブランドを育まれてこられ、勤勉な丹波杜氏は世界に誇る灘の酒造りに不可欠な存在です。私は丹波地域を訪れた際には、丹波の自然や歴史に触れ、丹波ブランドの食を満喫してきました。近年、都会から魅力ある丹波地域への移住が進んでおり、こうした動きをしっかり国政からサポートし、丹波地域のさらなる活性化に全力で取り組みます。

 

 

泉房穂氏

泉房穂氏(無所属・新、61)

Q1 国民ひとり一人が使えるお金を増やす(減税など)。

Q2 ―

Q3 ―

Q4 兵庫県内それぞれの地域をそれぞれ大切にしたい。

 

 

 

 

 

 

金田峰生氏

金田峰生氏(日本共産党・新、59)

Q1 医療・介護の保険料引き下げ、一部負担軽減・廃止。診療報酬・介護報酬の基本部分を引き上げ、ケア労働者の処遇改善。病院ベッド維持・増床、介護施設確保、保健所増設。

Q2 大企業への過剰な法人税減税や優遇税制をやめ、応能負担原則に基づく公平な税金負担で財源を確保し、消費税を一律5%へ引き下げ、さらに廃止へ向かう。また、中小企業への支援を強め、最低賃金をすぐに全国一律1時間あたり1500円以上に引き上げる。労働時間を1日7時間、週35時間に短縮する。年金のマクロ経済スライド制を廃止し、基金を活用して物価高騰に見合う支給額にする。

Q3 農業を基幹産業に位置付け、家族営農を基本に、農家が安心して農業を続けていけるよう、所得補償、価格保障、農業後継者支援などを抜本強化する。国がコメの必要十分量確保・流通・管理に責任をもち、農家の努力を評価する新たな食糧管理制度を導入する。地球温暖化対策に真摯に取り組み、高温障害などコメをはじめ農作物などへの影響を防ぎ、営農と収穫を安定させる。

Q4 農業被害(黒豆のワレ・カスレの多発)調査で篠山市(当時)の農家を訪ねたのが最初。その後、丹波市で「農業シンポジウム」を開催したり、豪雨災害、大雪災害で被災者支援ボランティアや農業被害実態調査に入り、国・県へ申し入れを行ったりしてきた。林業活性化についても現地の取り組みに学ばせてもらった。

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