兵庫県丹波篠山市内の水辺で野鳥「カイツブリ」が子育てに奮闘中。親鳥はヒナたちを背中に乗せて天敵から守ったり、ひっきりなしに〝ごはん〟を運んだりと大忙しだ。人にとっては夏の風物詩と言える光景でもある。
季節的な移動をしない留鳥で、成鳥は全長26センチほど。潜水が得意で、小魚やエビ、水生昆虫などを食べて暮らす。黒と赤茶色の親と違って、ヒナたちは頭や首に特徴的な白黒の斑紋があり、目の色も違う。
ある親鳥の背中には3羽のヒナ。〝おんぶ〟され、まるで散歩でもしているかのように水辺を進んでいく。天敵から守ってもらっているヒナたちの表情は、どこか安心感に包まれているように見える。
もう一方の親鳥は潜水を繰り返してはくちばしに魚などをくわえて浮かび上がり、急いで背中のヒナたちのもとへ。口移しで給餌しては、また水に潜る。人も鳥も子育ては大変だ。
今は手厚い子育てに励んでいるが、ある程度成長すると、親はヒナを追いやるようにして巣立ちをうながす。厳しくも見えるが、独りでも生きていけるよう、愛のこもった激励でもある。
ヒナたちが親にべったりの光景が見られるのもあとわずか。毎年のことながら、レンズ越しに残り少ない家族の幸せな光景を眺めていると、視界がじんわりとにじんだ。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)


























