31年間にわたり、朗読ボランティアの活動を続け、今年4月11日に急逝した日原恒子さん(享年90)の功績をたたえ、国から遺族追賞が贈られた。日原さんは、社会奉仕活動功績で春の褒章(緑綬)を受ける予定だった。11日に柏原福祉センターで伝達式が行われ、夫の昶さん(95)=兵庫県丹波市山南町梶=が賞状と銀杯を受け取った。この日はちょうど恒子さんの3カ月の月命日にあたり、昶さんは「草葉の陰で喜んでいると思う」と妻をしのんだ。
県地域福祉課の石川雅重課長が表彰を伝達。推薦した丹波市社会福祉協議会の中川泰一会長が「受賞はいろいろなボランティアの方の励みにもなる。長い間の活動にお礼を申し上げたい」とあいさつした。
日原さんは、中学校教員を58歳で退職後、朗読ボランティア「かけはし」で活動を始め、代表も6年務めた。市の広報紙や丹波新聞などを毎月、同社協山南支所で録音し、CDにダビングして山南地域の視覚障がい者に情報を届けた。90歳になるまで現役で活動し、リーダー的存在としてボランティアを引っ張り、地域社会でも頼りにされていたという。2015年には県知事表彰、23年には厚生労働大臣表彰を受賞している。
免許証を返納した恒子さんを活動拠点の同社協山南支所まで送迎するなど協力してきた昶さんは、「常々100歳まで朗読ボランティアをやると言って頑張っていた」と振り返り、「朗らかで、心根の優しい女性だった。年に不足はないが、突然のことで、今はまだ茫然自失」と寂しさを口にした。


























