歓喜の涙? 山中に号泣する人の”顔” 渇水のまちに恵の水

2025.08.20
地域注目

砂防ダムとみられる構造物から流れ落ちる水。まるで涙を流す人のように見える。渇水の中で歓喜の涙?=2025年8月20日午前8時21分、兵庫県丹波篠山市内で

野鳥を探して兵庫県丹波篠山市内の山に入る。本格的な夏を迎えて以降、夏鳥たちはさえずりをやめ、子育てに励んでいることから、ほとんど出会いがない。「きょうも何もいないな」と思いながら、ぶらぶら歩いていると―。

記者の視界に飛び込んできたのは、砂防ダムとみられる構造物。排水のための四角い穴がいくつか開いており、水が流れている。何気なく眺めていると、まるで号泣する人の顔に見えてきた。「めっちゃ泣いてるやん…」

7月30日にお隣の丹波市が、当時、国内観測史上最高気温となる41.2度を記録(現在は4位タイ)したほか、ほとんど雨が降らず、渇水が続いていた丹波地域。農業被害が心配されていたが、その後、まとまった雨が降る日もあり、少し持ち直している。

まだまだ水不足への警戒は怠れないが、住民にとっては恵みの雨が降った後。穴から流れ落ちる涙のような水は、やがて人や農作物を潤すことになる。

「そうか、歓喜の涙か」とつぶやきながら、山を後にした。一方で雨は豪雨被害をもたらす可能性もあることを考えると、少し汗が引いた。

 

【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)

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