山野を駆け抜けるトレイルランニングのプロランナー、兵庫県丹波市の中谷亮太さん(34)が、イタリアで開幕した世界最高峰の大会で、「巨人の旅」と称されるレース「トルデジアン」の330キロ部門に初挑戦する。世界のトップランナーが栄冠を目指し集う大会で、招待選手として参戦。主に2500―3000メートルの高地を走り続け、登った標高の合計、累積獲得標高は3万メートルに達する過酷なコースに立ち向かう。「過去、日本人最高は5位。高いハードルだが優勝を狙い、3位以内を目指したい」と話している。
同国北西部アオスタ州を1周する。途中、マッターホルンやモンブランなどの名峰を望みながら走るコースで、最高標高は3300メートルほどに達する。2000人ほどがエントリーしており、制限時間は150時間。
昨年、同大会の130キロ部門で5位入りを果たし、日本人として初の入賞に輝いた。この結果から、今大会の出場権を獲得した。
これまでのレース結果で積み重ねたポイントで評価される世界ランキングでは、330キロ部門にエントリーしている選手中11番目。頂点を狙える位置に来ている。
7月後半から、高地と激しいアップダウンの対策に、3000メートル級の山々がそびえる日本アルプスを5回、縦走した。距離こそ違うが、昨年の同大会で経験したコースは想像を絶するものだったという。「上り下りの距離が長く、下りが13キロも続く部分があった。きつさを知っている分、今回は怖さもある」と語る。
目標タイムとする70時間以内にゴールできれば、世界の頂に近づける。「自分の限界を超えないといけない場面もあると思う。レース後半のきつさを経験していることは大きい。なんとしても前半を5番手以内に入っておきたい」と話している。

























