兵庫県丹波市山南町の勝田誠宏さん(68)が、同町山崎の田んぼにソーラーパネルを設置し、太陽光発電と稲作を同時に行うソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を行っている。自家用に低農薬の米を栽培しつつ、年間約160万円の売電収入があるといい、「安心安全なお米が作れて家族が喜んでくれるし、収益も確保できる。興味がある人がいればやり方を伝えたい」と話している。
電気主任技術者として定年を延長して企業に勤めつつ、発電事業者として県内で太陽光発電などを行っている勝田さん。「定年後は米作りをやってみたい」という思いがあり、2022年からソーラーシェアリングに取り組んでいる。米作りは、JAに聞きに行くなどして覚えたという。
水田の広さは約1770平方メートル(約1・8反)。49・5キロワットの発電出力を持つ太陽光パネル216枚を設置。支柱の高さは3・2メートル、間隔は4・5メートルあり、農機が通る。稲は明るい日陰でも育つため、「光合成に必要な日光は十分確保できている」という。米は昨年、600キロ(30キロ入り20袋)取れた。
年間発電量は10万5000キロワットアワー。一般家庭の年間電力使用量を3500キロワットアワーとすると、約30軒分に当たる。1キロワットアワー14円で関西電力に売電し、消費税込みで年間約160万円の売電収入になっているという。太陽光設備と農機の購入に1500―1600万円かかった。固定資産税は上がった。
勝田さんは「社会課題である脱炭素化の取り組みにもつながる」と話している。


























