投資型詐欺被害防ぐ 署長が感謝状「最後の砦」 ファミママネジャーに4度目贈呈

2025.11.05
丹波篠山市事件地域注目

篠山警察署長感謝状を受ける木戸さん=兵庫県丹波篠山市郡家で

篠山警察署はこのほど、SNS(交流サイト)型投資詐欺の被害を未然に防いだとして、ファミリーマート篠山丹南店のマネジャー、木戸正惠さん(63)に署長感謝状を贈った。

同署や木戸さんによると、8月16日午後1時ごろ、50歳代女性が来店し、店員に店内のATMの操作方法を尋ねてきたという。女性は20―30分前からスマートフォンを見ながらATMの前に立ったり離れたりしていたため、不審に感じた木戸さんが用件を聞いたところ、「SNSで知り合った相手と仲良くなり、仮想通貨への投資を勧められ、10万円を振り込もうとしている」と話したことから、詐欺被害を疑い、同署に通報。女性は駆け付けた警察官に説得され、木戸さんに「ありがとう」と感謝して帰宅した。

同店には日頃から近くの杉駐在所の警察官が巡回し、「スマホを持ってATMを操作する客に注意して」と促されていた。

木戸さんは、「もし被害に遭われていたら、こちらも見逃してしまったという後悔と、申し訳ない気持ちに苦しむことになる。これからも積極的に声をかけていきたい」と話している。

木戸さんはこれまでにも特殊詐欺を未然に防ぐなどして3度、署長感謝状を受けており、夫で同店オーナーの爾さん(69)も同様に4度受けている。

池添塁署長は、「ATM前での声かけは詐欺被害を食い止める最後の砦。お客さんと単に売り買いの関係でなく、相手のことを思われての行動が素晴らしかった」とたたえている。

同署によると、今年1―8月末時点での管内の特殊詐欺被害の認知件数は8件で被害総額は2130万円。SNS型投資・ロマンス詐欺被害は1件、4653万円。ニセ警察詐欺も横行しているという。

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