
新会員2人を迎え、12人の大人数で開かれている「三水会展」=兵庫県丹波市青垣町佐治で
兵庫県丹波市青垣町の絵の仲間の会「三水会」(足立晋平会長)の年1回の作品展「三水会展」が青垣住民センター(青垣町佐治)で始まった。1956年の会発足から70年1度も欠かさず70回。30―90歳代の12人が、油彩、水彩、日本画を35点出展している。立ち上げメンバーで、皆勤の植村八郎さん(91)が新作3点を出展。新たに2人が初出展し、近年にない大人数の展覧会になっている。12月21日まで。節目を祝い、3月に丹波の森公苑(同市柏原町柏原)で記念展を予定している。

植村八郎さんの新作「氷ノ山」
植村さんは、25―30号の新作水彩画を出展。十八番の氷ノ山を描いた2点と、孫娘をモチーフにした「救星手」。
初出展の足立百紀枝さん(72)は、昨年と今年の福知山市展入選作の水彩画2点を出展。地元の鹿野馬神社の夏の祭礼と青垣峠のミツマタの群生地を描いた。足立会長(66)が同市展で作品を見て声をかけた。
もう一人の初出展、池上太さん(62)=同市氷上町=は、青垣在勤かつ植村さんに絵を見てもらっている縁で参加。止まった砕石場の機械を描いた油彩画「束の間の静寂」などを出品した。
60回展以降の出展者は8―9人。出展者が2桁になるのは久しぶり。この間に、会の創始者の一人、足立均さん、初期会員の足立一彦さんが亡くなった。植村さんを中心に仲間を増やそうと声かけに励み、今回出展の半数ほどはここ10年の新入会員。
会を牽引してきた植村さんは「それぞれが頑張っている」と目を細め、「先輩は皆、亡くなった。私も体のあちこちが痛いが、来年も出展したい」と意欲を語った。
120―130号の大作の出展が続いていた足立会長は、大人数になったことで展示スペースを考慮し、10号のデッサンなど小品を出展。「山奥の過疎地の青垣で、絵を描こうという人が70年前に何人もいた。絵の会がこんなに長く続いているのは青垣だけ。70回で終わらず、100回以上続けたい。新会員や若い人もおられるので希望がある」と語った。
絵の研究会として発足。青垣地域の中学校で図工を教えていた故・鴻谷隆夫さんを中心に、教師や絵画愛好家が集まった。近隣市の公募展を総なめにした。会員の郷土画家を育み、丹波美術協会の礎となった。長く「佐治川まつり」に協賛して夏に作品展を開き、現在は秋に開いている。
この他の出展者は、芦田哲さん、大沼司郎さん、佐伯幸胤さん、足立晃一郎さん、足立計喜さん、足立進さん、西垣大介さん、朝倉望さん。


























