
丹波新聞を市図書館へ寄付した田村さんと近藤館長(左から)=兵庫県丹波市春日町で
兵庫県丹波市春日町の田村庄一さん(80)が10日、自宅で保管していた約32年分の丹波新聞を丹波市立図書館へ寄付した。今後、整理や資料登録を行い、同図書館(同市氷上町常楽)で一般閲覧が可能となる。
寄付した新聞は、同図書館になかった1950(昭和25)―64年(同39)の一部と、65(同40)―96年(平成8)の約32年分。全て重ねると、厚さは1メートルを優に超える。同図書館は、1996年以降の新聞は所蔵していた。近藤利明館長は「このように丹波新聞を寄付していただくのは初めてのこと。地域の身近なことが書かれた資料なので大変ありがたい」と感謝し、「市民の方が閲覧できるよう、資料の登録などの準備を進めていく」と話している。
田村さんが保管するようになったきっかけは、63年ごろ、当時勤めていた会社の倉庫に置かれていた新聞を手に取ったことだった。地域の出来事がさまざまに書かれているのを読んで「なかなか面白い」と感じたという。父親が購読しており、65年から意識して取り置くようになった。父親がたまたま残していた65年以前の新聞も、合わせて保管していた。
カバーなどで特別に保護することはなく、自宅の押し入れで保管していたが、虫害などは受けず、きれいな状態を維持していた。
2年ほど前、本などの整理を始めるうちに、「このまま保管していても、引き継いでくれる人がいない」と考えるようになった。図書館などの施設で活用してもらえないかと思い立ち、市教育委員会に相談したところ、同図書館への寄付が決まった。
田村さんは、「無事に受け取ってもらえて良かった。有効に活用してもらえたら」と話していた。
同図書館によると、65―96年分は閲覧が可能になるとしている。


























