
集大成と位置づけた作品展を開く久下さん=兵庫県丹波市柏原町東奥で
35年間にわたり趣味でパッチワークや刺しゅうなどの作品作りに励んできた久下八重子さん(95)=兵庫県丹波市=が、植野記念美術館(同市氷上町西中)研修室で作品展を開いている。自宅での作品展や、公民館などでグループ展は経験したが、美術館での作品展は自身初。江戸期の古布や丹波布など、廃棄寸前だった布を収集し、一針一針、新たな命を吹き込むように作品を仕上げてきた。その集大成としての作品展で、「古布や藍染めの良さを知ってほしい。肌触りが全く違う。若い人にも関心を持ってもらうきっかけになれば」と話している。8日まで。
2018年の「丹波市民美術展」の彫刻・工芸部門で、手芸作品で初めて優秀賞に輝いたパッチワークの大作「ブラックホール」(1・95メートル四方)など約30点を展示している。また、自身が午年であることにちなみ、好んで作品に馬を登場させており、年女の今年、馬の柄を表現した作品も並べている。
退職後、更年期障がいの克服のために登山を始めた。友人からもらった藍染めの古布の服を着て登ると、その肌触りが心地よく、すぐに魅せられた。趣味を持ちたい思いも重なり、藍染めの古布の収集に没頭。中には天保期のものもある。
「昔はお古の服ばかり。古い物でも、もったいなくてね」と言い、集めた古布を作品に仕立てていくことが生きがいになった。パッチワークや刺しゅう、アップリケなど、さまざまな形で新たな命の明かりをともし続けた。

展示準備が進む会場。ひときわ大きい作品が丹波市民美術展で優秀賞に輝いた「ブラックホール」=兵庫県丹波市氷上町西中で
その魅力を「作品を作る時は夢中になれる。女の手仕事そのもの」と話す。市民美術展で優秀賞に輝いた「ブラックホール」は、藍染めと絣の古布を6センチ角に切り、841枚用意。これを縫い合わせていった。「製作は1カ月間ほど。縫い始めると早いからね」と笑う。
現在、同美術館では彫刻家の初代磯尾柏里展が開かれている。父が初代柏里と交流があり、自身も2代目柏里から彫刻の手ほどきを受けたことがあり、「縁を感じる」とほほ笑んでいる。
午前10時―午後5時。入場無料(初代磯尾柏里展は別途観覧料が必要)。丹波ゆかりの美術作家の作品を紹介する「UEBI ART展」の一環。


























