柏原地域が抱える課題に住民として取り組もうと、 柏原活性化協議会の設立総会が19日、 柏原自治会館で開かれた。 医療問題や、 JR複線化、 中心市街地活性化などに取り組む。 会長には、 柏原町総代協議会会長の古本克己さんを選出。 まず、 医療問題に取り組む。 来月行われる市長、 市議会議員選挙の立候補者に対し、 県立柏原と柏原赤十字両病院の統合など、 医療問題に関する意識を問う公開質問状を出す。
総会では、 神戸大学医学部附属病院副院長で、 同大大学院医学研究科内科学講座循環器内科学分野の平田健一教授が記念講演。 平田教授は、 新医師臨床研修医制度により、 大学教授が命令し医師を赴任させることが難しくなったことを報告。 医学部卒業生が約8000人なのに対し、 1万1000人の求人がある 「超売り手市場」 であることや、 同制度が始まるまでは同大では150人ほどが研修し、 うち50人ほどが内科を志望していたが、 研修可能な人数が最大で72人になり、 内科志望は20人程度まで落ち込んでいる実状を伝えた。 「医師は条件の良い所に行く。 医師不足の丹波に医者を補うのは誰か」 と、 提起した。
また、 同大医学部附属病院長が県に提案した県立柏原、 柏原赤十字両病院の統合案について、 国は一般的に30万人に300床から400床の病院を1つ程度という勘定をしているとし、 「柏原に2つの大きな病院は困難。 一緒に働いた方が診療面で助け合えると現場の医師は思っていて、 なぜそうしないのかと考えている。 統合したら絶対大丈夫かと言われると保証はできないが、 2つあると、 少なくともつぶれるのは早くなる」 と述べ、 「大学は、 統合は可能だと考えるが、 行政がなぜできないと言うのか分からない。 みなさんから行政に聞いて」 と締めくくった。