30日の衆議院選挙投開票に向けて、 自民党の谷公一氏 (57) =美方郡香美町=、 幸福実現党の丸岡眞澄氏 (51) =加東市=、 民主党の梶原康弘氏 (52) =篠山市=の3人が激しい戦いを繰り広げている兵庫5区。 それぞれの陣営の地域戦略や、 当選ラインをどう見ているかなどを探った。
丹波地域では前回、 梶原候補が谷候補に約5360票差をつけた。 丹波市では谷候補が約980票上回ったが、 篠山市では梶原候補が約6340票上回った。
谷陣営では、 「選挙となると、 どうしても地元意識が働く。 加えて民主優勢の世論。 厳しい戦いを強いられる地域」 と分析。 「4年間の実績は、 丹波地域の人たちにも見てもらえているはず」 とし、 実績と人柄をアピールする。 梶原陣営は、 前回は前々回と比べて丹波地域で約6860票ダウンしたことも踏まえ、 「前々回の得票率 (61%) を最低限守りながら、 7割程度の票を集めなければ勝利の展望はない」 と地元の支持拡大をめざす。
前回、 谷候補が梶原候補に約3万2300票差をつけた但馬地域では、 前回出馬した日村豊彦氏が今回は谷候補を応援。 谷陣営にとって強い後押しとなっている。 牙城といえる但馬だが、 陣営では 「人口減少が著しい地域のため、 浮動票の掘り起こしに懸命。 但馬といえども、 守りではなく攻めだ」 という。
一方、 梶原候補は、 前回の落選後から但馬地域の集落も積極的に回ってきた。 陣営では 「谷氏の牙城で難しいが、 前々回の得票率 (33%) を上回りたい」 とし、 「農漁業の振興や鳥獣害対策などを訴え続けたい」 という。
比較的、 浮動票が多いとみられる三田・猪名川。 前回は、 谷候補が梶原候補に約3100票差をつけた。 梶原陣営では 「前回は小泉旋風で浮動票が谷氏へ動いた」 と分析。 公示日までに党のマニフェストを幅広く配布しており、 「政策を中心に訴え、 無党派層にアピールしたい」 という。
谷陣営は、 解散後2週間で選挙区内に10万枚を超えるビラを配ったが、 そのほとんどが三田・猪名川。 「全地域が重要だが、 特に重要」 と、 駅前での朝立ちや広報活動などに力を注いでいる。
三田市内の病院に長く勤務していた丸岡候補にとって、 三田は票田。 陣営では 「丹波や但馬はこれまで組織の指示で投票してきた人が多いが、 それが崩れてきているのでは」 とみる。
また、 今回は共産党の立候補者がなく、 党支持者の票の流れも注目される。 谷陣営では 「小選挙区は個人判断になっているなら、 すべてが他候補に入るとは限らない」 とみて、 梶原陣営では 「共産党支持者は自民党には入れないと思う。 白票にしないよう訴えている」 と話す。