丹波地域の特産品をインターネットを通して全国に届けるビジネスが広がりを見せている。 全国に名をはせる 「丹波黒大豆」 などは、 収穫前に予約できるシステムもあり、 すでに今年分の問い合わせが来ている業者も。 生産農家側の売上向上にもつながっており、 ネットを活用した新しい販売方法が注目を集めている。
「遠方のお客様が多いのはインターネットならでは。 売上も好調です」 と話すのは、 「株式会社井上商店」 (池上) が運営するインターネット上の店 「丹波篠山いのうえ黒豆農園」。 5年ほど前からネットでの販売をスタートし、 生の豆はもちろん、 菓子や茶、 煮豆など、 黒豆関連商品100点以上を取り揃える。
生産農家と契約し、 収穫期を迎えるころに、 ネットで予約を募り、 収穫と同時に発送。 産地直送の味を全国に届けている。
2年前から 「株式会社娑吽婆羅 (シャンバラ)」 (北新町) が運営している 「丹波うまいもの倶楽部」 も生産農家と提携し、 黒豆や山の芋、 鶏卵などを販売。 取扱商品数はまだ少ないものの、 開設から売上は上昇傾向にあるという。
マネージャーを務める同社の杉山貴彦さんは、 「 『丹波』 は全国区のブランド。 遠くて足を運べない人にもネットなら、 どこにでも届けることができる」 と言い、 「農家の方に協力してもらい、 これからどんどん商品数を増やしていきたい。 売上を伸ばすことで、 地域貢献にもつながるのでは」 と意気込む。
ネット販売の契約農家の男性 (80) は、 「私自身はインターネットが使えないけど、 その力はすごい」 と驚きを隠さず、 「新しい売り方で、 家で売るよりもよく売れているかも。 今後も丹波の味を届けていきたい」 と話している。